東京タワーの150メートル展望台をのぼったあと、いよいよ藤子・F・不二雄展に入場!
同展は、「フットタウン」という東京タワーの股下に建てられた観光施設の屋上と4階で開催されており、入場口は屋上でした。
入場すると真っ先に目の前に広がるのが、数多くのドラえもんたち。リアル「ドラえもんだらけ」です(笑)
このスペース、「55/80ひろば」といいます。F先生の生誕80周年にちなんで東京タワー内に80体のドラえもんが置かれているのですが、そのうちの55体がここにあるよ、という意味です。
「55/80ひろば」から階段をくだって4階会場に向かいます。
階段の壁面には、Fマンガの東京タワー登場コマをパネル化したものがたくさん貼ってありました。それらを眺めながら階段をくだるのです。
トイレのピクトグラムがF展にデザインを合わせていました。この凝り方、Fミュージアムを彷彿とさせます!
4階におりると係員にもう一度チケットを提示して、展示会場に入ります。ここからしばらく撮影不可スポットになります。
●「SF(すこしふしぎ)シアター」
室内型の4DプロジェクションマッピングでFワールドを堪能! めくるめくような映像体験。目の前で繰り広げられるFキャラの映像ショーに、視線が躍り、心が高揚しました。
壁面の書物が動き出すところだけでも目を奪われましたし、走ってきたティラノサウルスが転倒したときの迫力、大勢のFキャラたちが宇宙に向かって空を飛ぶさっそうとした後ろ姿などにワクワクしました。
●「原画の部屋」
Fミュージムですでに展示されていた原画とダブるものが多かった気がしますが、『ドラえもん』や『パーマン』の第1話の原画に再会できたことが思いのほか嬉しかったです。
原画を観ている途中には、モノクロ時代の『オバケのQ太郎』『パーマン』の映像を流すスクリーンが設置されており、子どもたちをはじめ多くの人がその前に座り込んでいる光景がほほえましかったです。その昔、空き地に紙芝居がやってきて子どもたちが集まる光景とイメージが重なって、なんだかノスタルジックな気持ちに(笑)
●「SF短編の世界」
壁一面に数々のSF短編の扉絵がコラージュされ、その壁にSF短編の原画が少々展示されていました。私の友人に「自分の部屋をこの壁にしたい!」と発言した人が2人います。
●「藤子まんがのはじまり『少太陽』」
藤子両先生が高校時代に作成した肉筆回覧誌『少太陽』の現物が展示されていました。同展のなかでも最貴重の展示品目です。
同展の会期前半は、五月号を展示していたのですが、後半になって新年特大号に変更されました。8月24日から新年特大号に展示替えした模様。
Fミュージアムでレプリカが展示されていましたが、こちらの「少太陽」は実物です! 「少太陽」の展示ショーケースを警備員が丁寧に磨いている様子を観て、ますます「少太陽」のお宝感を目の当たりに!!
五月号と新年特大号の全ページが複写され、誰もが読めるようになっているのも素晴らしい仕掛けでした。高校時代の藤子先生の若き才気はもちろん、マンガにかける情熱、手塚治虫先生へのリスペクト、お2人の無類の仲のよさ、徹底した娯楽志向などが各ページから伝わってきて、胸が熱くなりました。
●なりきりキャラひろば
ここは撮影可のスポット……というか、撮影するためのスポットです。F作品の一場面に飛び込みFキャラになりきってしまえる体感型企画!
私はこういう企画に対応するには決定的に演技力が欠落しているのですが、せっかくなので、やれるだけやってみました。
・パーマンになって重い箱を持ち上げたり、Qちゃんの背中にまたがって空をお散歩したり、雲の上に乗っかったりしました。
・F先生の机(ベレー帽やパイプがあればもう少しサマになったのですが・笑)
この日の「なりきりキャラひろば」で圧倒的に長い行列ができていたのが、のび太の机の引き出し(タイムマシンの出入口)でした。
●色紙
同展を祝し、F先生へのメッセージを記した著名人の直筆色紙がいっぱい展示されていました。多くは、巨匠漫画家さんやF先生とゆかりのある漫画家さんの色紙でした。
藤子不二雄A先生の色紙は、F先生のお顔をリアルタッチで描き、そのF先生の周囲にFキャラたちを配置しており、お見事でした。ここで色紙を寄せている方々の中でもF先生との付き合いが最も長く最も深いA先生がF先生に贈る色紙です。この1枚に込められたものの大きさに感じ入りました。
各漫画家さんは、それぞれの個性を出しながらドラえもんなどを描いておられました。やなせたかし先生画のドラえもんの突きぬけた独創性には面食らいましたが、ほのぼの気分にもなりました。
ちばてつや先生の色紙は、コートの前を開いたジョーのシャツにドラえもんが描かれている、というもので、非常にかっこよかったです。
水木しげる先生や鳥山明先生は、Fキャラを描かず、ご自分のキャラクターのみを描いておいででした。とくに鳥山先生のは、サインペンで『ドラゴンボール』の悟空を描き「藤子・F・不二雄先生へ」と記したシンプルな色紙で、宛名がF先生じゃなけければ鳥山先生が普段ファンやお店などに贈る色紙と変わらないのです。
瀬名秀明さんや辻村深月さんも参加されていました。映画ドラえもんのテーマソングを歌った歌手の色紙もけっこうありましたよ。
●グッズ売場
図録をはじめ、この会場でしか買えないオリジナルグッズを少々購入しました。
モノクロ版『パーマン』DVD-BOX計画進行中の告知。「(秘)パーマン2号の巻」の映像(スマホ・タブレット用)が315円で販売されていました。
近くに住んでいれば、会期前半と後半、最低1回ずつは足を運びたかったところですが、ともあれ、会期中に行けてよかったです。
・東京で泊ったビジネスホテルの向かい側のビジネスホテルの名前を見て、あっちに泊ればよかった〜、と思ってしまいました(笑) 宿泊料もほとんど同じだったし。
・東京滞在中に中華食堂「松葉」にも行きました! 新メニューにトキワ荘名物「チューダー」が加わったので、それを飲むのが主目的です。
※情報
10月3日付(2日発行)の「日刊ゲンダイ」を今朝コンビニで買ってきました。「愉快な“病人”たち」の欄に藤子不二雄A先生が登場している、との情報をいただいたからです。
この記事でA先生は、ガンで入院した体験を語っています。退院後のリハビリはゴルフで、平日週2回は18ホール回り、1回で10キロのウォーキングになるとか。
先日は軽井沢へゴルフコンペに行き、帰りに飲んで午前様になったA先生。鍵を忘れて自宅に入れず、朝まで勝手口で野宿したそうです^^
週に20キロ歩くとか、午前様だとか、野宿だとか、A先生のお元気ぶりにあらためて脱帽です。