9月17日(土)、名古屋市富田図書館で講演をさせていただきました。
演題は「ドラえもんから広がる読書の世界」。
『大長編ドラえもん のび太の魔界大冒険』のいくつかの場面・コマを読みながら、この作品に影響を及ぼした本や、藤子・F・不二雄先生が幼少期から親しんだ本などをガイドしていく…。そんな趣向の講演会です。
私が以前からやってきた研究テーマと重なることでもありますし、公立の図書館での講演ということで、少しでも読書や図書館の利用につながったらいいなという意識もあって、こういう題材を選びました。
・名古屋市富田図書館。名古屋市の中川区にあるのですが、私はこの方面に来る機会がほとんどなく、同館を訪れるのも初めてでした。
・聴講者が入場する前の会場の風景。
富田図書館の蔵書だけでなく、全体で20館以上もある名古屋市図書館から『ドラえもん』のコミックスなどをここへ集めてもらい、講演のテキストとして使わせていただきました。大都市の図書館だから可能だったことかもしれません。
午後2時が講演の開始時刻です。
まずは館長さんのご挨拶があり、今回の講演を企画・担当してくださった同館の藤本さん(ありがとうございます!)が私を聴講者の皆さんに紹介してくださり、ついに私の話が始まりました。
・講演中の私です。(聴講者のごんぱしんさんが撮影してくださいました)
『のび太の魔界大冒険』の作中から「このシーンはこの本からの影響だろう」「このセリフはあの本が元になっているにちがいない」と推定できるページを指摘し、そのページを聴講者に実際に読んでもらいながら、『アラビアンナイト』『ギリシア神話』をはじめ、自分なりの切り口でいろいろな本を紹介しました。
『のび太魔界大冒険』に「ナルニアデスの魔界歴程」という書物が登場します。それに関するくだりで聴講者の皆さんから最も大きな反応をいただきました。『若草物語』のところであんなにも声が上がるとは意外でしたし、その反応が非常に嬉しかったです。
レジュメにはもっとたくさんの本を記載しておいたのですが、実際の講演では途中までしか触れられませんでした。レジュメに詰め込んだ情報量から見て、途中で時間が足りなくなることは想定内でした。ですからやれるところまでやるというスタンスだったものの、せめて「17世紀科学革命」のところまで行きたかった…。
質問コーナーでは、好きなひみつ道具を尋ねてくださったり、藤子F作品の古典落語からの影響について問いかけてくださったりと、よい質問をいただけてありがたかったです。
聴きに来てくださる人がどれだけいらっしゃるか心配な面もありましたが、ありがたくも定員に到達したうえ少し余分に席を設けるほどになりました。知った顔もあれば知らない方もいらっしゃって、知っている人と知らない人の人数の比率がほどよくて、地元ケーブルテレビ局のカメラが入ったり、東京・名古屋の出版社の方が足を運んでくださったりと、客席の雰囲気も最高でした。
講演後の皆さんの感想を拝読すると、私の拙い話の論旨を的確に受けとめてくださり、藤子F作品や活字の書物へ新たな興味を示してくださった方が多くて、胸が熱くなりました。あんなにも長時間、人前で単独でお話する機会なんてこれまでなかったものですから、いったいどうなることか…と自分で自分が心配でしたが、聴いてくださった方々のおかげで「話が伝わったんだ!」という喜びを感じながら会場を出ることができました。自分の実力以上に、よい聴講者に恵まれた講演会でした。
打ち上げは名古屋駅方面の居酒屋へ移動して、チューダーで乾杯したりして盛り上がりました。午後5時前から深夜12時近くまで飲んでいました。
講演に足を運んでくださった皆様、当日お会いした皆様、富田図書館の皆様、本当にありがとうございました!
たいへん貴重で楽しい、特別な一日を提供していただいた気持ちです。
これを機に、次の講演や執筆などにつなげていけるよう精進してまいります。
※社会評論社さんのブログで講演「ドラえもんから広がる読書の世界」をレポートしてくださっています。
http://shahyo.sakura.ne.jp/wp/2016/09/18/
「マンガの1コマから古典に誘う」という見出しがパッと目に入ります。今回の講演のキャッチフレーズみたいで、見た瞬間心が高揚しました。
※さらに、講演にご来場くださった方々もブログでレポートしてくださっています♪
●「Neo Mechatopia ブログ【第2次 藤子不二雄 補完計画】」
http://ameblo.jp/hit-toshi/entry-12201312500.html
●「ざっきーエモンのブログ」
http://ameblo.jp/zakkiemon/entry-12201281386.html
感謝するばかりです。