大山のぶ代さんインタビュー

サンデー毎日」3月6日号に大山のぶ代さんのインタビューが載っているということで、さっそく読んでみた。記事のタイトルは、〝「ドラえもんはいつも私のそばにいる」大山のぶ代さん独占インタビュー〟。
 病気入院したさいドラえもんの声を辞めさせてほしいと申し出たことや、声優交代の打診を受けたときの状況、その情報がマスコミにスッパ抜かれたときの心境などを語っている。

藤子A先生が『第三の男』を語る

 本日、NHK総合の「生活ほっとモーニング」〝青春の映画〟のコーナーに、藤子不二雄A先生が出演し、映画『第三の男』への思い入れや自作への影響などを語った。雑誌やムックなどで〝私の好きな映画ベスト10〟のような企画があると、藤子A先生はたいがい『第三の男』を1位に持ってきているので、先生は今回、最も好きな映画についてテレビで語ったことになる。
 番組内で言及されていたし、『まんが道』でも描かれているように、藤子漫画の中には映画『第三の男』の影響がはっきりと見て取れるものがあって、その代表例は藤子・F・不二雄先生との合作『四万年漂流』*1である。
 先生は、『四万年漂流』の冒頭に『第三の男』で印象的だった下水道での追跡シーンを取り入れているし、この映画でオーソン・ウェルズが扮する〝ハリィ・ライム〟をもじって、少年探偵の〝ラリィ〟と、スパイの〝ハイム〟という二人のキャラクターを生み出している。喪黒福造のような、悪魔的だけれど人間的な魅力を併せ持った両面的なキャラクター造形は、ハリィ・ライムの人物像から来ているそうだし、藤子A先生が光と影、白と黒のコントラストを駆使した絵を描くのも、この映画の影響が少なからずあるようだ。
『第三の男』からのはっきりとした影響は、藤子漫画ばかりでなく、手塚治虫先生の作品にも表れている。手塚ファンには有名な話だし、手塚先生本人も述べていることだが、『38度線上の怪物』(「少年画報」1953年3月号別冊付録)における〝ミクロ化した少年・ケン一の前を、結核菌の少女・モードが通り過ぎていくシーン〟は『第三の男』から取ったものである。



★参考までに、藤子不二雄A先生が雑誌の企画などで選んだ映画のベストランキングを紹介する。

●忘れ得ぬ映画10本プラス1
洋画
1、『第三の男』
2.『青春群像』
3、『砂漠の鬼将軍』
4、『アスファルト・ジャングル
5、『影の軍隊
邦画
1、『用心棒』
2、『女の園
3、『足摺岬
4、『十三人の刺客
5、『少年時代』
プラス1
老人と海』(1998年ロシア/アニメーション)
          (小学館サライ」2000年3月16日号)

●わが想い出の名画たち(洋画)
1、『第三の男』
2、『白鯨』
3、『禁じられた遊び
4、『キッド』
5、『青春群像』
6、『河』
7、『シェ−ン』
8、『地獄の黙示録
9、『未知との遭遇
10、『エイリアン』
           (「文藝春秋」1988年新年特別号)

●マイベスト10(邦画)
1、『七人の侍
2、『血槍富士』
3、『野菊の如き君なりき』
4、『用心棒』
5、『虎の尾を踏む男達』
6、『暗殺』
7、『無法松の一生
8、『幕末太陽伝』
9、『泥の河』
10、『家族ゲーム
           (文春文庫ビジュアル版「大アンケートによる日本映画ベスト150」1989年)

●おすすめビデオ
『キッド』
『落ちた偶像』
禁じられた遊び
二十四の瞳
『汚れなき悪戯』
ミツバチのささやき
『E.T.』
瀬戸内少年野球団
マイライフ・アズ・ア・ドッグ
スタンド・バイ・ミー
           (潮出版社「潮」1990年8月号)

*1:秋田書店「少年少女冒険王」1953年2〜7月号連載/足塚不二雄名義/藤子先生がデビューして初の雑誌連載漫画