特別展ドラえもんとはらっぱ

koikesan2005-04-04

 昨日4月3日(日)、江戸東京たてもの園で昨年12月7日より開催中の特別展「ドラえもんとはらっぱ」へ行ってきた。この催しのためだけに東京まで行く気はなかったが、藤子ファン仲間が10人近く集まるというので、皆に会う目的も兼ねて出かけたのだった。
 江戸東京たてもの園は、JR中央線武蔵小金井駅からバスで5分の都立小金井公園内にあり、その公園の一区画では、まだ満開とはいえない桜の木の下で花見に興ずる人たちの姿が見受けられた。


 入場料400円を払って江戸東京たてもの園に入り、「ドラえもんとはらっぱ」の展示室へ向かうと、まず「のび太の通学路」という展示コーナーに遭遇した。マンガ『ドラえもん』の中から、のび太の通学路に関連したコマを選んで拡大したパネルがいくつか展示されていた。
 そのあと〝ご挨拶〟の文を読んでから、どこでもドア型のゲートをくぐると、「ドラえもんとはらっぱ」の本格的な展示室が目の前に広がるのだった。


 展示室に入って真っ先に目についたのは、のび太の家の大きな立体模型である。1階部分と2階部分が切り離され、屋根が外されて、内部の構造が見える状態で床に置かれていた。これは、雑誌「ぼくドラえもん」2号の組み立てフロク「のび太の家」を巨大化したもので、現実にのび太の家が存在すると仮定した場合の5分の1のスケールで造られている。
 

 展示室の壁には、「のび太の街はどこ?」とか「『ドラえもん』のはらっぱ」といったコーナーが設けられていた。
のび太の街はどこ?」では、「ぼくドラえもん」2号に掲載されたのび太の街の鳥瞰図(芝山努監督作)が大幅に拡大されて掲げられていた。細かくぎっしりと描きこまれた街の風景は圧巻だ。
「『ドラえもん』のはらっぱ」では、マンガ『ドラえもん』の中から、はらっぱ(=空地)の登場するコマが数多く紹介されていた。それを見ると、話によってはらっぱに置かれた土管の数や積み方に違いがあることがよくわかるのだった。


 お絵かきのコーナーもあり、たくさんの子どもたちが思い思いにドラえもんを描いていた。一緒にいた藤子ファン仲間の1人は、子どもにまじってお絵かきをし、描きあげた作品を係の人に壁に貼ってもらっていた。彼は「ツチノコ見つけた!」に出てくるツチノコを描いたのだが、大人気ないほどに上手であったため、ほかの大勢の子どもたちの絵と並べると、妙に異彩を放っていた。
 そのほか、てんとう虫コミックスドラえもん』を自由に読めるようになっていたし、「どこでもドアの使用法」を説明するコーナーもあった。


 全体的に、「ぼくドラえもん」2号の記事やフロクを再構成した展示物が多かったが、5分の1スケールののび太の家や、のび太の街の鳥瞰図など、元の記事やフロクを大幅に巨大化してくれた物は見応えがあった


 その後、「ドラえもんとはらっぱ」の屋外会場へ足を運んだ。こちらのほうは、ドラえもんに関する物が展示されているというのではなく、大きさの違う土管が3本置いてあるはらっぱがただ広がっており、そこで子どもたちが自由に遊べるようになっていた。私も土管の上にのぼったり中に入ったりして遊んでみたいと少しだけ思ったが、子どもたちにまじってそんなことをする勇気はなかった。
 はらっぱのすぐ近くには、「ぼくドラえもん」2号の表紙撮影に使われた銭湯「子宝湯」が建っていたので、中を見学した。私は、こうした昔ながらの銭湯を利用した経験はないが、『まんが道』で満賀道雄が銭湯の湯につかっている場面などを思い浮かべて自分なりに感情移入したのだった。


 特別展「ドラえもんとはらっぱ」は4月10日で終了の予定だったが、大好評ということで6月26日まで会期が延長されている。