6月29日に発売された『藤子・F・不二雄 SF短編コンプリート・ワークス』 3巻と9巻を発売日にお迎えしました。
このシリーズは、SF短編の単行本のわりに装丁(本のデザインや表紙イラストなど)にかわいらしさが漂っているなと感じます。
藤子F先生のSF短編にはショッキングな作品、ダークな作品、シリアスな作品が多々あって、これまでのSF短編の単行本の装丁はたいていそういう雰囲気をまとっていました。が、今回の『藤子・F・不二雄 SF短編コンプリート・ワークス』の装丁は、パッと見て思わず「かわいい」と声を出したくなるような、これまでのSF短編の単行本とはちょっと異質の雰囲気を持っているのです。
カバーにも、カバーをめくった表紙・裏表紙にもそういうかわいらしさを感じるのですが、特に強くそう感じるのが各巻の本扉です。
たとえば、3巻の本扉をご覧ください。
『カンビュセスの籤』からカットがチョイスされています。
『カンビュセスの籤』は遠大でハードでショッキングな作品ですが、ここでのこのカットの使われ方を見ると、妙にほっこりしてきます。なんだかかわいい、と思えてきます。
他の巻の本扉も同様に、そこでチョイスされたカットに和むことが多いです。1巻では『ミノタウロスの皿』のある箇所が本扉のカットに使われているのですが、「そこをそんなふうに切り取ってきたんだ!」とちょっと驚きながら和ませてもらえました😄