「男の隠れ家」8月号の特集は「藤子・F・不二雄のSF短編」

 6月27日発売の雑誌「男の隠れ家」8月号が「藤子・F・不二雄のSF短編」の大特集号を組んでいます。

・さっそく書店で買ってきました。 

 今回の特集のトップを飾る記事は、夢枕獏先生へのインタビュー。藤子F先生から送られた手紙が大きく紹介されていて、特集の最序盤から大きな目玉が到来した感じです。もちろん夢枕先生のインタビュー内容も読み甲斐があります。(特集内のインタビュー記事は、夢枕獏先生のほか、山崎貴監督、久住昌之先生、塚地武雅さんも載っています)

 

・表紙にタイトルが記載されたこの10作品を解説するコーナーが、今回の特集の中心部と言えそうです。

 この10作品のうち7作品がそれぞれ4ページにわたり解説されています。(残り3作品は各2ページ)。1作品につき4ページも使って解説するとは、ぜいたくな企画だなと感じました。各見開きの左隅に設けられた用語解説欄もなにげに良いです。

 

 

・SF短編名言集のページもあれば、綴じ込み付録というかたちで『ひとりぼっちの宇宙戦争』のカラー再録もあります。

 

 特集の終盤まで来て特に目を見張ったのは、「山寺グラフィティ 聖地を往く」です。名作『山寺グラフィティ』の舞台となった山形県山形市の“山寺”を探訪する記事ですが、その記事に10ページも割かれているのです。取材された情報の面でもビジュアルの面でも上質の記事となっています。

 この記事を読んだうえで『山寺グラフィティ』を再読すると、ますます滋味深い思いを味わえそうです。

 

 

・藤子F先生のふるさと高岡を探訪する記事もあります。こういう記事でよく取り上げられるおなじみのスポットに加え、「金屋町」を取材しているところがユニークです。

 

 

・118ページから載っている記事「徳山村よ 永遠に」は、記事内に藤子F先生やSF短編に関する言及はまったくなく、SF短編特集とは別枠の記事とも思えますが、“ダム湖に沈んだ村”つながりで『ノスタル爺』と響き合うものを感じました。

 

 事前に抱いた期待や予想を超えてくる、充実の特集でした。