10月15日放送のアニメ『ドラえもん』感想

 10月15日(金)放送のアニメ『ドラえもん』の感想を簡単に…。
 
 1話目の「ネコののび太いりませんか」は、原作を読んだときの個人的なツボをアニメでうまく表現してくれていて、にんまりしました。
 個人的なツボとは、たとえば…
・猫のクロに変身したのび太が本物のクロの代わりによその家々を巡ったとき、あんまりかわいくないとか本物のクロとちょっと違うと言われる場面。そのときドラえもんは、クロに変身したのび太のことを「これは見本」と紹介します。その「見本」という語彙のセレクトに、なぜだか心が反応して、ちょっと笑ってしまうのです。
・クロがいなくなってショックを受けるママの場面。布団で寝込むママの姿がいきなり出てきてパンチが効いています。寝込むママの後頭部だけが見えており、その後頭部がママの失意の大きさを顔の表情を見せる以上に如実に物語っているように感じられます。


 この話は、動物嫌いキャラのイメージが定着しているママの動物に対する心理を、他の話よりも踏み込んで描いています。ママは、のび太がペットを飼うことにいつも反対し、のび太がこっそり飼っているペットを徹底的に追い払おうとするキャラクター、というパターン的性格を持っているのですが、この話はそのパターンを崩してママの内面の変化過程を描いているのです。
  猫を見たら悲鳴を上げ猫が家にいると思うだけで落ち着かないと言うほど猫をひどく嫌っていたのに、いったん猫をかわいがる方向へ傾いたらほとんど溺愛化し、猫がいなくなったら大きなショックを受けて布団で寝込んでしまう…というママの極端な性格が顕著に出た話でもあります(笑)


 2話目の「賞品かせぎカウボット」は、当たり前のようにのび太の馬になってしまっているドラえもんの姿が琴線に触れました(笑) ドラえもんの表情からどうしようもなく浮かぶ、そこはかとない諦念…。その感じが、ドラえもんに対しては失礼ながら笑いを誘うのです。
 この話は、映画『シェーン』の有名なラストシーンのパロディで終幕します。『シェーン』といえば、藤子F先生が『のび太の宇宙開拓史』のヒントとした映画のひとつですね。
 『のび太の宇宙開拓史』のヒントになったと思われる『シェーン』の要素を挙げてみます(あくまでも、私がそう感じるというものです)
・開拓地にやってきたガンマンが開拓農民の一家と親しくなる。
・その開拓農民の一家には男の子がいて、その男の子には仲良しの動物(犬)がいる。
・悪徳牧畜業者の一味が開拓農民を苦しめている。
・その悪徳業者の一味が辣腕の殺し屋を雇う。
・銃による決闘。
・印象的な別れ。


 次回の『ドラえもん』は10月13日ですか…。ちょっと先になりますが「バイバイン」が放送される!ということで今から楽しみです。できれば、栗まんじゅうを食べながら視聴したいなぁ(笑)