「コロコロ伝説」VOL.5と、ぴっかぴかコミックス『バケルくん』5巻

koikesan2007-12-29

「熱血!!コロコロ伝説」VOL.5(1985年〜1986年)が12月22日ごろ発売になった。単行本未収録作品から描き下ろし作品まで、藤子マンガ(とくに藤子Aマンガ)がいろいろ掲載されて、藤子ファンには心ときめく一冊だ。
 私の一番の楽しみは、藤子A先生の描き下ろしコミックエッセイ『コロコロといっしょにころがって まんが道30年』だった。読んでみると、全16ページ・2色カラーで、「コロコロコミック」創刊30周年にちなんで藤子A先生の30年を振り返る内容だった。
 創刊当時の「コロコロコミック」は藤子・F先生の作品ばかりで藤子A先生の単独作品が載っていなかった。そのことに対してA先生が「クスン!」と正直な心情を表明するところから本作は始まる。私は、その「クスン!」の一言に強く心をひかれた。
 コンビ解消時のパーティーでA先生とF先生が手を握り合うひとコマはグッとくる。コンビ解消の知らせは、当時の私には激しすぎるショックで、立ち直るまでに相当な時間がかかった。今なら冷静にとらえることができるのだが。
 ラスト、藤子A先生が、先に亡くなったマンガ界の巨星2人と、自分に残されたまんが道とに思いを馳せるところはしみじみとした気持ちにさせられた。


 単行本未収録作『まんが道スペシャル』が復刻されたのも大きな出来事だろう。『まんが道スペシャル』は、「少年キング」で連載された『まんが道』(立志編〜再生編)が終わって4年以上が過ぎ、「藤子不二雄ランド」巻末で『第二部まんが道』(春雷編)の連載が始まる直前の時期に発表された。初出誌は「コロコロコミック」1986年9月号である。
まんが道スペシャル』を単行本に入れ込むと『まんが道』シリーズの物語的な連続性が不自然になってしまうためか、それとも他の事情からか、これまで一度も単行本に収録されていない。そんな埋もれた作品が今回陽の目を見たのだから素晴らしいではないか。


 その他、今号には以下のような藤子マンガが収録されている。

●『プロゴルファー猿』(藤子不二雄A
「シャドウ・マスターズ編1 一打必中二〇〇〇$のまき」
初出:「別冊コロコロコミックスペシャル」1983年4月号 
単行本:藤子不二雄ランド『新プロゴルファー猿』1巻などに収録。


●『ドラえもん』(藤子・F・不二雄
「ゆうどう足あとスタンプ」
初出: 「小学四年生」1988年8月号
単行本:単行本未収録

 12月27日には、ぴっかぴかコミックス『バケルくん』第5巻が発売された。
 収録内容は以下のとおり。

●「かけ持ちでお花見」/小学三年生1975年4月号/藤子不二雄ランド1巻
●「一日ゴン太」/小学四年生1975年8月号/てんとう虫コミックス2巻・藤子不二雄ランド3巻
●「ゆうれい君がんばって」/小学三年生1975年9月号/てんとう虫コミックス1巻・藤子不二雄ランド2巻
●「大まんが家カワル先生」/小学四年生1975年7月号/てんとう虫コミックス2巻・藤子不二雄ランド2巻
●「つぼをわっちゃった」/小学三年生1975年5月号/藤子不二雄ランド1巻
●「パパとママがりこんする」/小学四年生1975年5月号/てんとう虫コミックス1巻・藤子不二雄ランド2巻
●「はつゆめに白雪ひめを」/小学三年生1976年2月号/てんとう虫コミックス2巻・藤子不二雄ランド2巻
●「ゴン太のガールフレンド」/小学四年生1975年6月号/藤子不二雄ランド3巻
●「カワルついに正せん手に」/小学三年生1976年3月号/てんとう虫コミックス2巻・藤子不二雄ランド3巻


(●「サブタイトル」/初出/これまでの単行本収録状況)

 いつもぴっかぴかコミックスを買っていた書店が、ぴっかぴかコミックスを置かなくなり、近隣の書店で買うことができなくなってしまった。私が住む市内のめぼしい書店をひととおり巡ってみたが、やはり置いていない。
『バケルくん』5巻は、名古屋の大型書店まで足を運んで買ってこざるをえなかった。