ぴっかぴかコミックス『怪物くん』1巻、『ドラえもん』9巻

 本日、ぴっかぴかコミックス(以下、ぴかコミ)『怪物くん』1巻と『ドラえもん』9巻を購入。『怪物くん』は、『忍者ハットリくん』に継ぐ藤子不二雄A作品のぴかコミ化だ。

 藤子不二雄Aランド(以下、Aランド)で『怪物くん』全21巻が発売中なので、それを全巻そろえていれば大丈夫かといえばそうでもないところが、ぴかコミがマニア心をくすぐる所以である。
 まず、冒頭にオールカラーで収録された「怪物くん登場」は、Aランド1巻で読める怪物くん登場エピソードとは違う作品だ。資料を確認できていないが、この「怪物くん登場」は、おそらく「小学二年生」版の第1話と思われる。(正確な情報をお持ちの方がいらっしゃれば、ご教示願います)
 2話めの「怪物スター フランケン」は、なんと、ソノシートのジャケットで発表された作品から初の単行本化。その手できたか!
 この「怪物スター フランケン」の初出は、昭和43年5月に朝日ソノラマから発売された『怪物くん』のソノシート(「おれは怪物くんだ」「怪物くんの子守歌」の2曲と、ゆかいドラマ「怪物スター フランケン」を収録)のジャケットである。
 それから、Aランドの『怪物くん』全21巻を持っている方はチェックしてみるとおもしろいと思うのだが、今回ぴかコミに収録された「声はすれどもすがたは見えず」「グニャグニャ怪物 ネンドラー」「天才怪物 アタマデン」などは、サブタイトルも内容もそっくりでありながら読み比べてみると明らかに違うという作品が、Aランドに収録されている。
 これは、もともと昭和40年代前半に「少年画報」や「週刊少年キング」で発表された作品を、昭和55年から小学館学年誌や「コロコロコミック」で『怪物くん』の連載が復活したさい、そのために藤子不二雄A先生がリメイクしたものである。Aランド収録のものは「少年画報」「少年キング」で発表されたオリジナル版で、ぴかコミ収録のほうは学年誌で発表のリメイク版である。リメイク版は、オリジナル版の原稿をそのままトレスしたのではなく、新たに描きおろしたものだが、絵の構図やストーリーやセリフなど、もとの原稿をそっくりまねた部分が多い。


 ここでは、ぴかコミ『怪物くん』1巻に収録された作品が、現行商品の藤子不二雄Aランドに収録されているかどうかを見ていきたい。

●怪物くん登場(Aランド未収録)
●怪物スター フランケン(Aランド未収録)
●シャボン玉の中のすてきな世界(Aランド10巻収録の「シャボン玉の中のすてきな世界」を学年誌用にリメイクしたもの)
●声はすれどもすがたは見えず(Aランド11巻収録の「声はすれどもすがたは見えないよ」を学年誌用にリメイクしたもの)
●怪竜ノンビラス(Aランド20巻収録) 
●おいらはアマゾンの半魚人(Aランド20巻収録)
●怪物くん2コマまんがげき場:目のけんさ(Aランド20巻収録) 
●グニャグニャ怪物 ネンドラー(Aランド8巻収録の「グニャグニャ怪獣ネンドラ」を学年誌用にリメイクしたもの)
●天才怪物 アタマデン(Aランド10巻収録の「秀才怪物アタマデン」を学年誌用にリメイクしたもの)
●バラが食ったよ(Aランド9巻収録の「バラがくったよ」を学年誌用にリメイクしたもの)


ドラえもん』9巻は、全部で13話を収録。そのうち、てんとう虫コミックス未収録作品は以下の通り

のび太のへそくりが消えた!?/どの単行本にも未収録/小学三年生昭和58年3月号
●動物ドロップ/どの単行本にも未収録/小学一年生昭和48年1月号

 てんとう虫コミックスに収録されている作品であっても、ぴかコミはてんとう虫コミックスより雑誌初出時の原稿の状態にこだわって掲載しているので、その点も魅力的である。


■追記

本日発売のぴかコミについて、はなバルーンblogさんでも紹介されている。上で触れた『怪物くん』学年誌用リメイク作品は、小学館のカラーコミックス『怪物くん』にほとんど収録されているとのこと。私も、カラーコミックスやてんとう虫コミックスの『怪物くん』は持っているのだが、それらはすべて実家に置いてあって、本日参照できる単行本が藤子不二雄Aランドしかなかったのである。だから、カラーコミックスに関する情報はとくにありがたかった。