タケカワユキヒデ氷見まんが旅

 2日(土)午後4時からBS日テレで『タケカワユキヒデ氷見まんが旅』が放送されました。


 大のマンガ好きで藤子不二雄A先生と対談したこともあるミュージシャン、タケカワユキヒデさんが、富山出身の高原兄さんのガイドでA先生の故郷・氷見を旅する番組でした。
 紀行番組なので、A先生と直接には関係のないスポットも半分くらい登場しましたが、そこもまた氷見の魅力が満載で、楽しみながら観ることができました。


 番組は、タケカワさんが忍者ハットリくん列車に乗って氷見へ向かう場面から始まりました。
 氷見駅に降り立つとガイド役の高原さんが合流。駅前に停まっている怪物くんのラッピングバスに乗り込みます。
 そうして、藤子キャラのモニュメントなどで賑やかな商店街「潮風通り」を散策。この商店街にある潮風ギャラリーに入ります。潮風ギャラリーで展示されているA先生の複製原画や、復元されたトキワ荘14号室などが映し出されました。
 タケカワさんは藤子Aマンガの中でも子ども時代に夢中になった『シルバークロス』に思い入れがあるとのこと。「かっこいい!」「自分もシルバークロスになりたかった」と熱く語っていました。漫画家とミュージシャン、同じクリエーターとして『まんが道』への思いも深く、『まんが道』の話題がたびたび出てきました。


 タケカワさんたちは氷見の新しい観光スポット「ひみ番屋街」を訪ねたあと、A先生が氷見へ帰ったら必ず立ち寄るといううどん屋「海津屋」でA先生の好物である鍋焼きうどんを食べました。海津屋がテレビで紹介されるのは珍しいような気がします。私もこの店で食べたことがありますが、久しく行ってないのでまたここで食べたくなってきました。


 細工かまぼこに挑戦したり、誉一山荘に宿泊したり、高澤酒造場で飲酒したりといった場面が続き、この番組において藤子ファン的にはクライマックスとなる光禅寺の登場となります。
 A先生の生家であるこのお寺、現在の第52代住職(菊池耕一さん)は、A先生の甥っ子さんに当たります。このご住職が、藤子A作品と仏教を関連づけて語っておられたのがとても印象的でした。
 ・(『忍者ハットリくん』『怪物くん』など)弱い子どもを助けるセッティングは、仏教の理念にかなっている。そういう感じがする。
 ・A作品はカドがないマンガ。丸いタッチのキャラクターで描かれていて、それは数珠を擦るように丸い人間になるように…という意味なのでは。
 と、こういったことを語っておられたのです。


 タケカワさんは、比較的最近になってA先生がお寺の生まれだと知ったそうですが、そのさい、「(A作品の)めちゃくちゃなことをやっても正しい方向へ向いていく」ところにA先生がお寺に生まれたことの影響を感じたそうです。


 こういう番組を観ると、また氷見高岡へ行きたいなあという気持ちが高まってきます。