ふんどしの日

 2月14日は「バレンタインデー」であるばかりではなく「ふんどしの日」でもあるとか。
 そんなふんどしの日に、ふんどしの藤子キャラといってまず思い浮かんだのが…
 
 「ひみぼうすくん」です!
 藤子不二雄A先生が、ふるさと氷見のために生み出したご当地キャラクター。「海坊主の子ども」という設定で、彼の頭をなでると幸せが訪れるといわれています♪ 波の模様にHiMiと記された、鮮やかなふんどしがまぶしい!(^^


 メジャーキャラですと、忍者ハットリくんがふんどし愛用者ですね。ひみぼうずくんと違って日常的にはふんどしを外に露出していませんが(笑)コロタン文庫『忍者ハットリくん全百科』(小学館)によれば、ハットリくんは「伊賀フン」という伊賀忍者用の赤いふんどしを着用しているそうです。アニメではハットリくんの赤いふんどし姿が鮮烈でした。
 A先生が描かれたマンガ版だと、「忍法「自転車作り」」におけるハットリくんのふんどし姿が印象深いです。動画のモデルになってほしいと頼まれたハットリくんが、ふんどし一丁の裸体(だけど頭巾は外さない)でポースをとる自分の姿を頭に思い浮かべるのです。そのふんどし姿のハットリくんの戸惑いと恥じらいの混じった表情がなんとも言えません(笑)
 第1話「ちょっとしつれいつかまつる」のラストでも、ハットリくんのふんどし姿が見られます。十方手裏剣型のおねしょをしてしまったハットリくん。干したふとんの横で顔を赤らめてもじもじした様子です。このとき、上半身はいつもどおり忍者装束を着ているのですが、下半身はふんどし姿です。ハットリくんは第1話から自分のふんどし姿をさらしていたのであります(^^ アニメでは赤フンだったのですが、こちらのハットリくんは白フンのようです。
ドラえもん』の「ニンニン修行セット」は、当然ながらF先生の作品ですが、『忍者ハットリくん』のコミックスが作中に登場したり、ひみつ道具名に「ニンニン」という語が使われたりと、明示的に『忍者ハットリくん』が意識された話です。そのニンニン修業セットの中に、人の身長の何倍も長いふんどしがあります。風のように走れる「疾風百里行の術」を体得するための道具で、長い長いふんどしを地面に引きずらず走れるようになるまで修業するのです。のび太がこれを着用するので、のび太のふんどし姿を見られるわけです。


 そしてもうひとつ、ふんどしといって記憶に蘇った作品が『少年時代』です。
 
 東京の少年・進一は、米軍による本土空襲の激化が予想されるなか、富山県の山村(泉山村)へ縁故疎開してきます。そこで最初に付き合いができた少年がタケシでした。進一はタケシのおかげでいろいろとつらい目にあったり葛藤したりすることにもなるのですが、この二人がまだ出会ったばかりのころ、タケシの誘いで石浜という地域の海へ泳ぎに行く場面があります。そこで二人はふんどし姿になるのです。
 進一は、石浜の地元の子どもたちにカラまれ、自分の付けているふんどしについて「東京じゃこんなたよんないフンドシしてるのかのう!」「おいフンドシとれしもたらどうするんや」などとからかわれます。それを見たタケシは、ふんどし一丁で石浜の子どもたちとケンカして暴力的に打ちまかすのです。
 これが、作中でタケシの恐ろしさが表に出た最初の場面でした。ふんどしのリアルな存在感が妙に目に焼きつく、インパクトの強い場面です。


 藤子作品でとりたててふんどしに注目することなんてありませんでしたから、今回は妙に新鮮な気分でした(笑)