念願のトキワ荘マンガミュージアム初訪問

 今年6月2日(木)、第26回手塚治虫文化賞の贈呈式・記念トークイベントに参加するため、コロナ禍になってから初めて東京へ遠征しました。その件は当ブログ12月25日の記事でレポートしています。

 https://koikesan.hatenablog.com/entry/2022/12/25/212137

 

 その手塚治虫文化賞イベントの前日(6/1)に東京入りして、トキワ荘マンガミュージアムへ足を運びました。

 

 トキワ荘マンガミュージアムがオープンしたのは2020年7月7日。私はこのミュージアムができると知ったときからぜひオープン日に駆けつけたいという思いでいましたが、コロナのため遠征しづらい状況で、ぜんぜん行けないまま2022年に突入してしまいました。

 

 そんなトキワ荘マンガミュージアムへ念願かなってようやく行けたのが、今年の6月1日だったのです。オープンから2年近く経って、ついに訪問できたわけです。初訪問まで意想外に長くかかってしまいました。行けないでいる期間が長かったぶん、感慨もひとしおでした。

 

 椎名町駅で電車をおりて街を歩くと、トキワ荘マンガミュージアムへ向かうための案内があちこちに!

 こういう看板すら私の興奮を誘うものでした。自分がいま歩いていくこの先に、復元されたトキワ荘が待ち受けているんだ!と、いやがうえにも期待感が高まってきたのです。

 

 着きました!

 トキワ荘マンガミュージアムの建つ南長崎花咲公園に到着したのです。

 

 

 そして、それはそこにありました!!

 ついに、ついに復元されたトキワ荘の実物をこの目におさめることができました!

 あの伝説のトキワ荘が目の前に建ってるんですよ!! 

 『まんが道』で読んだ「満賀道雄の前に、あのトキワ荘があった!!」というナレーションの「満賀道雄」の部分が私の名に勝手に変換されて脳内に感動的に響き渡りました。

 

 しばらく立ち止まって感動にひたったあと、ゆっくり歩きながら建物の外観をじっくり見てまわりました。

 

 細かいパーツや汚れ・錆など、よくぞここまで忠実にこだわってトキワ荘を再現してくださったものです!

 

 トキワ荘の玄関を出てすぐの場所にあった落合電話局の電話ボックスも再現されています!

 

 外観を見まわり終えてすぐ館内に入場したかったのですが、その前に腹ごしらえ。

 松葉でラーメンを食べてチューダーを飲んでンマーイ!

 

 松葉の店内に金子志津枝さんの直筆色紙が飾られていました。

 

 

 松葉でお腹を満たしてついに館内へ入場です。

 満賀道雄才野茂が初めてトキワ荘へ入っていくシーンを頭のなかでなぞりながら玄関をくぐり、ギシギシと音が鳴る仕掛けがほどこされた階段で2階へ。ああ、いま私はトキワ荘の階段をのぼってるんだ!と感慨にひたりながら、1段1段踏んでいきました。

 

 

 階段をのぼりきったところで正面に便所、その横に共同炊事場を確認。トイレも炊事場も細部まで作り込まれていて見惚れます。

 とくに共同炊事場の風景にはずいぶん見惚れました。これだけゴチャゴチャと物が置いてあると、隅々まで細部を確認したい衝動にかられます。

 この風景を見て真っ先に思い出したのは、満賀と才野が自分らで味噌汁をつくろうとしたら鍋も味噌も用意してなくてただ笑うしかなかったシーンです。隣室の桐島(姉)さんが助けてくれたあのシーンです。

 

 それから左を向くと廊下がのびています。廊下を挟んだ両側に各部屋が並ぶ光景が、感銘とともに目に飛び込んできました。

 

 各先生がたの4畳半のお部屋にじっさいに入れたり間近で見られたりするなんて、じつにしあわせな体験です。先生がたが当時この空間で感じていた風景、質感、サイズ感をいま自分も味わえているんだ!と喜びが込み上げてきました。

 

 館内で豊島区の担当課長さまやトキワ荘マンガミュージアムのマネージャーさまとご挨拶させていただくこととなり、あたふた、おろおろしてしまう瞬間もありましたが、トキワ荘マンガミュージアム初訪問は大いなる感動に満たされたのでした。

 

 その後、トキワ荘マンガミュージアムの隣のブックカフェ「ふるいちトキワ荘通り店」へ。

 この店の大家の小出幹雄さんさんが出迎えてくださり、心地よい時間を送れました。

 トキワ荘の漫画家さんのグッズがいっぱい売っており、藤子不二雄Ⓐ先生の本やグッズが目立っていました。

 

 トキワ荘通りお休み処に寄ったら紫雲荘の大家・大山さんと久々にお会いできました。

 大山さんは子どものころよくトキワ荘へ遊びに行っておられます。トキワ荘の漫画家さんのお一人(おそらく藤子・F・不二雄先生)に野良猫のノミ取りをしてもらったエピソードなどを聞かせてくださいました。

 

 この日、私のトキワ荘マンガミュージアム初訪問に付き合ってくださったのは、トキワ荘最後の住人の挿絵画家むかいさすけさん、『「たま」という船に乗っていた』の漫画家・原田高夕己さん、いつも映画ドラえもん同時視聴会の雑談会をご一緒しているフリーライター・とりかさんでした。

 お付き合いくださった皆様やお会いした皆様のおかげで、じつに楽しく充実したトキワ荘マンガミュージアム初訪問となりました。開館から2年近く経っての初訪問がますます思い出深いものとなりました。

 ありがとうございます。

(私がかぶっているベレー帽は原田さんが貸してくれたものです)