新刊「カラー版ドラえもん」、「ビリ犬」2巻、「サル」5巻

koikesan2005-09-30

ぴっかぴかコミックススペシャル『カラー版ドラえもん』ぴっかぴかコミックス『ビリ犬』2巻を購入。



 ぴかコミ『ドラえもん』は本来なら12巻が出る番だが、今回は〝スペシャル〟として「カラー版」が刊行された。これまでモノクロばかりだったぴかコミ『ドラえもん』初の「カラー版」は、全ページカラー・オビ付きという体裁で、税込価格300円だったものが500円になった。「よいこ」「幼稚園」で発表された作品ばかりを25話収録しており(4コマ作品1話を含む)、どの作品もこれが単行本初収録となる*1。多くの読者が初めて目にする作品ばかりが、ずらりとこの一冊に収まっているわけだ。


 ひとつひとつの作品は極めて短いページ数ながら、少し不思議なアイデアが冴えわたり、しっかりした起承転結に支えられていて、高い確度で楽しむことができる。個人的には、大きめのコマの中に描かれたカラー絵をたっぷりと堪能できたし、最少の言葉数まで絞り込まれた藤子・F先生の洗練されたネーム(台詞)に触れて、陶然とした気持ちになったりもした。
 

 全体的に、幼年版ならではのあどけなさと、初期ドラならではのおおらかさがあふれていて、てんとう虫コミックスで読み慣れたいつもの『ドラえもん』とはいくぶんテイストの違う『ドラえもん』を、ぞんぶんに味わえる。『わさドラ』のミニシアターでアニメ化された作品もあるので、アニメと比較して読むと、さらに興味が深まりそうだ。


 本書の収録内容は以下のとおり。

●「なんでもロープ」/「よいこ」1971年2月号/単行本未収録/5月13日放映
●「今、何時?」/「よいこ」1971年3月号/単行本未収録/
●「ロボットえんぴつ」/「幼稚園」1970年2月号/単行本未収録/6月17日放映
●「ケーキを育てよう」/「幼稚園」1970年3月号/単行本未収録/
●「ひみつ道具で魚つり」/「幼稚園」1970年4月号/単行本未収録/
●「なんでもたまごに…」/「幼稚園」1970年5月号/(ぼく、ドラえもん17号付録)/
●「歯みがきで強くなろう」/「幼稚園」1970年6月号/単行本未収録/
●「ロボット足」/「幼稚園」1970年7月号/(ロボットはともだち!)/
●「絵の中で海水よく」/「幼稚園」1970年8月号/単行本未収録/
●「マジックチャック」/「よいこ」1970年12月号/単行本未収録/6月10日放映
●「もちつきロボット」/「よいこ」1971年1月号/単行本未収録/
●「雲スキーと雲ぐつ」/「幼稚園」1971年2月号/単行本未収録/
●「おにロボット」/「よいこ」1973年2月号/(ロボットはともだち!)/
●「ジャンプゆみ」/「幼稚園」1970年11月号/単行本未収録/
●「ロボットを作ろう」/「幼稚園」1970年12月号/(ロボットはともだち!)/
●「ふしぎなお絵かき」/「幼稚園」1971年1月号/単行本未収録/
●「じゃんけん箱」/「幼稚園」1971年3月号/単行本未収録/
●「手ぶくろですな遊び」/「よいこ」1973年3月号/単行本未収録/
●「テレビからお客様」/「よいこ」1970年5月号/単行本未収録/
●「ペタンコになって遊ぼう」/「よいこ」1970年3月号/単行本未収録/5月20日放映
●「鳥とり機」/「よいこ」1973年5月号/単行本未収録/
●4コマまんが/「幼稚園」1973年12月号/単行本未収録/
●「早く大きくなあれ」/「幼稚園」1973年4月号/単行本未収録/
●「せん用電車で行こう」/「幼稚園」1970年10月号/単行本未収録/
●「ゆうびんロボット」/「幼稚園」1970年9月号/単行本未収録/


※リストの見方
●「サブタイトル」/「初出」/「これまでの単行本収録状況」/『わさドラ』ミニシアター放映日



『ビリ犬』2巻の収録状況は以下のとおり。

●「ビリ犬・ガリ犬代役」/「ぼくら」1969年7月号/TCS、FF
●「犬の村」/「ぼくら」1969年8月号/TCS、FF
●「テレビ出えん ビックリシャックリ」/「ぼくら」1969年10月号/TCS
●「ガリ犬の社会勉強」/「コロコロコミック」1988年10月号/TC
●「トド犬がやってきた……!」/「コロコロコミック」1988年11月号/TC
●「トド犬をさがせ!」/「コロコロコミック」1988年12月号/TC


※リストの見方 
●「サブタイトル」/「初出」/「これまでの単行本収録状況」(TCS…てんとう虫コミックススペシャル、TC…てんとう虫コミックス、FF…藤子不二雄ランドおよび藤子不二雄Aランド、いずれの単行本も全1巻)



 本日は、上記ぴっかぴかコミックス2冊とともに、ビッグコミックス『サル』5巻も購入。これが『サル』の最新巻であり、最終巻でもある。せっかくなので、1巻から5巻まで一気読みして、『サル』ワールドを満喫したい。
 5巻の巻末には、『「プロゴルファー猿」から「サル」へ』と題した藤子不二雄A先生のエッセイが掲載されている。藤子A先生がゴルフを始めたきっかけや、『プロゴルファー猿』を描き始めた経緯、そして連載を終えたばかりの『サル』への思いなどが綴られている。

*1:単行本には初収録の作品ばかりだが、ムック本「ロボットはともだち!」や、「ぼく、ドラえもん」別冊付録に収録された作品はある。