ホタル観察

 岐阜県美濃市の「神洞ほたるの里公園」へホタルを見に行ってきました。
 http://www.walkerplus.com/hotaru/tokai/ht0003.html

 
 鵜飼いで有名な長良川に合流する川のひとつ板取川… その板取川の支流・神洞川でゲンジボタルを見られるのです。
 ホタルというと、大長編ドラえもんのび太とアニマル惑星』の冒頭に出てくる、ホタルの入った花がとても印象に残っています。動物たちが暗闇を歩くとき、明かりとして持っていた花です。

(『のび太とアニマル惑星』より)
 のび太の夢のなかでの出来事かと思いきや、目覚めてみてものび太の家にその花があって、出木杉くんに図鑑で調べてもらった結果、「ホタルブクロ」という花に似ているがちょっと違っていて、図鑑には載っていない種類だとわかったのでした。



 神洞川が板取川に合流する地点のほど近くに「神洞ほたるの里公園」があります。

 明るいうちにその公園に到着した我々は、日が沈むまでそこですごすことにしました。この公園は神洞川に面して造られていて、階段を降りると川の流れのすぐそばまで近づけます。澄んだ川のなかを覗くと、ゲンジボタルの幼虫の餌となる巻き貝カワニナがたくさんいて、「ああ、やっぱりこの川はホタルスポットなんだなあ」と実感。ゲンジボタルの幼虫は、カワニナの体の軟らかいところにかみつき、消化液を分泌して肉を溶かしながら食べるんだそうです。私は、川に手をつっこんでカワニナを捕まえ、写真を撮ってみました。

 もちろん撮影後すぐに川へ逃がしてやりました。子どものころは町内を流れる川でカワニナをよく捕まえていたので、久々にカワニナに触れて懐かしかったです。


 公園内には湿地帯や小川が人工的に造られていて、「ほたるの里公園」の名にふさわしい景観。公園内でぶらぶら遊んでいると、犬の散歩でやってきた女性が話しかけてきて、「今はもっと上流に行かないとホタルを見られませんよ」と教えてくれました。そこで暗くなるのを待って、車で神洞川のさらに上流へと向かったのです。
 そうして、見つけることができました。暗闇に浮かぶ、美しくもはかなげな光を。


 ホタルの光は一つだけではありませんでした。その地点では、いくつもの光が浮かんでは消えています。自分の視野のなかに複数のホタルの光が同時に見えている! そう思うと、ますます感動が深まりました。ときおり、こちらのほうへ向かって飛んでくるホタルもいて、そういうときは相当な心の高揚を感じました。
 暗闇を流れる川の水面にホタルの光が映るさまも美しかったです。ただでさえ幻想的なホタルの光が、水面に映ることでさらに幻想性を増します。川の上を飛ぶホタルの光の下に、川に映ったもう一つの光… その光景を眺めていると、現実と非現実のあわいが揺らいで、一種の酩酊感みたいなものをおぼえました。


 帰るときは、神洞川に沿って下りながらところどころで車を停めて、ホタルの光を探してみました。探すたびに2〜3の光が見えて、しばらくその場にたたずみました。
 ピークの時期に来ればもっと多くのホタルが乱舞しているんだと思いますが、この日だって一つの地点で同時に何十匹ものホタルの光を見られたので大満足です。