Fの森の歩き方

 23日(金)、藤子・F・不二雄大全集別巻『Fの森の歩き方 ―藤子・F・不二雄まんがワールド探検公式ガイド―』が発売されました。
 
 楽しく充実したF作品ガイドになっていて、ページをめくるたびにFワールドを探検するようなワクワク感を味わえます。F作品の親切なガイドブックであるとともに、F作品研究の書でもあり、資料本としても重宝しそうな一冊です。藤子Fマンガのリストも付いています。


 かつてコロタン文庫『藤子不二雄まんが全百科』やビッグ・コロタン『藤子まんがヒーロー全員集合』、F.F.ランド・スペシャル『藤子不二雄ランドひみつ500大探検』といった百科本的ガイドブックを手に取ったときの興奮が今また蘇ってくるようです。
『Fの森の歩き方』は、藤子F作品の広大な世界を“Fの森”と表現し、その森を“探検する”という趣向になっていますが、ここで“探検”という語を用いているところに『藤子不二雄ランドひみつ500大探検』へのオマージュが感じられます。『藤子不二雄ランドひみつ500大探検』は、F大全集にとって藤子作品全集の先輩格にあたる藤子不二雄ランドのガイドブックでした。その先輩へのオマージュが“探検”という語から感じられるのです。(私が勝手にそう感じているだけで、F大全集編集部が意識的にオマージュを込めたかどうかは別問題です^^)。


『Fの森の歩き方』は、かつてのそうしたガイドブックのコンセプトを踏襲しながら、さらに正確に、さらに深く、さらにこだわりを持ったものへと進化した充実感あるガイドブックになっています。
 巻頭のカラー口絵からすでに見ごたえのある内容で、「コミックスカバーギャラリー」「大全集未収録扉絵ギャラリー」といった一目見て楽しめるビジュアル企画もあれば、「藤子・F・不二雄まんが連載史大年表」や「原画は語る」などF作品研究の成果発表もあります。
 目次の次から始まる本文は、各F作品を個別に紹介するコーナーや、複数のF作品を横断的に読むことで見つかる秘密を特集したコーナーがメイン。終盤のページは「藤子・F・不二雄バイオグラフィー」「著作リスト」など資料的なページが多くなります。


 藤子・F・不二雄大全集を読むさいのお伴として役に立ち、なおかつ純粋に楽しい本、それが『Fの森の歩き方』なのです。