ジャイアンのセリフの缶バッジ

 ジャイアンの有名なセリフ「おまえのものは、おれのもの。おれのものも、おれのもの」を英語化したデザインの缶バッジを見つけ、面白いなと思って瞬時に購入を決めました。


 背景がジャイアンのシャツの柄になっているのも気がきいていますし、これだけのデザインなら無版権で出せることを織り込み済みなところが賢いなと思います(笑) 
 小さくてシンプルなデザインの缶バッジでありながら、かなりの存在感を発揮しています。


「おまえのものは、おれのもの。おれのものも、おれのもの」というセリフが英語で「テイク・アンド・テイク」というふうに訳されることがある、という話を藤子ファン仲間から聞きました。なるほど、「テイク・アンド・テイク」とはうまい言い方だなあ。「ギブ・アンド・テイク」は与え与えられる公平かつ対等な人間関係を表す言葉ですが、「テイク・アンド・テイク」は一方的に与えられるばかりの不公平かつ不平等な関係を意味します。まさにジャイアンの「おまえのものは、おれのもの。おれのものも、おれのもの」は、ジャイアンが一方的に与えられ続ける(もらい続ける、借り続ける)存在であることを率直に宣言したものなのです。


 当ブログで以前に紹介したことがあるのですが、フジテレビのテレビ番組「トリビアの泉」で「おまえのものは、おれのもの。おれのものも、おれのもの」のトリビア(豆知識)がとりあげられたことがあります。「ジャイアンの口癖「お前の物は俺の物 俺の物も俺の物」はイギリスのことわざ」というトリビアでした。
 シェイクスピアの『尺には尺を』という作品に「俺の物はあんたの物 あんたの物は俺の物」というセリフがあって、そのセリフをジョナサン・スイフトが『上品な対話』(1738年)のなかで「お前の物は俺の物 俺の物は俺自身の物」とアレンジした、ということでした。このことわざ、現在のイギリスでは基本的に「傲慢である」という意味で使われます。


 また、当ブログの読者の方から、「おまえのものは、おれのもの。おれのものも、おれのもの」の語源として考えられる別の事例を教えていただいたことがあります。それはヘブライ語の宗教書『ミシュナー』という本の「アボット篇」に書いてある言葉で、以下のようなものだということでした。

人には4つのタイプがある。
「私のものは私のもの、あなたのものはあなたのもの」と言う人は普通の人
「私のものはあなたのもの、あなたのものは私のもの」と言う人は風変わりな人
「私のものはあなたのもの、あなたのものはあなたのもの」と言う人は神を敬う人
「あなたのものは私のもの、私のものも私のもの」と言う人は悪人である。

 このように、語源ひとつとっても興味深い話題の広がる「おまえのものは、おれのもの。おれのものも、おれのもの」ですから、そのセリフを英訳して引用しただけのこの小さくてシンプルな缶バッジが大きな存在感を放つのもむべなるかな、と思います(笑)



 この缶バッジと同じとき同じ店で購入したのが、「忍者ハットリくんソックスでござる」です。

 ハットリくんと獅子丸のデザインが売っていたので両方とも入手。サイズ的に履けませんし、もとよりコレクション目的なので履くつもりはないのですが、部屋にぶら下げて飾って楽しんでいます。


 少し前にプレゼントしてもらったエポック社の「バランスゲーム ドラえもんだらけ」も紹介しましょう。

ドラえもん』の傑作エピソード「ドラえもんだらけ」をモチーフにした立体ゲームです。様々な表情、様々なポーズの小さなドラえもん人形を箸でつまんでバランスよく積み上げていきます。
 
 この品は、「ドラえもんだらけ」の世界を忠実に再現したものというより、バランスゲームであることを第一義につくられたものですが、かつて原作の「ドラえもんだらけ」の世界を忠実に立体化した商品が発売されたことがあります。2004年に同じエポック社から発売された食玩ドラえもん コミックテイストフィギュア」第2弾の「ドラえもんだらけ」AとBです。眼を血走らせスパナをふりかざし「やろう、ぶっころしてやる」と怒鳴るドラえもん(8時間後のドラえもん)が立体化されたときの感動を思い出します。