『愛…しりそめし頃に…』第11集

『愛…しりそめし頃に…』第11集が30日(金)に発売されました。
 
ビッグコミックオリジナル増刊」2010年5月12日号から2011年11月12日号までに掲載された9話分を収録しています。
 哲学堂公園の桜を背景にした表紙イラストが美しいです。


 巻末には、1972年に「月刊現代」で発表された実録マンガ『負けてたまるか 松平康隆』を特別収録! 松平康隆氏(日本バレーボール協会名誉顧問)は昨年末に亡くなられているので、その追悼の意味を込めての特別収録かなと思いましたが、同巻の断り書きを読むと、『負けてたまるか 松平康隆』収録の許諾をもらった直後に松平氏が亡くなったとのこと。結果として追悼のようなかたちになった、ということでしょうか。
 これはなかなか読み応えのあるドキュメンタリーですし、一種のリーダー論のとしても読むことができます。


『愛…しりそめし頃に…』は初出誌が発売されるたびに読んでいるのですが、単行本でまとめて読むとまた格別の味わいがあります。
『愛…しりそめし頃に…』は、その前の時代を描いた『まんが道』のころから、A先生の自伝という衣をまとったフィクションだったわけですが、最近の『愛しり』は、現実の時系列の崩し方がますます豪放になっており、そうしたところをあえて堪能する、という楽しみ方もできるようになっています(笑)
 A先生は講演会などでよくトキワ荘の仲間たちをライバルだと意識したことはない、と語っています。そのことをテーマにした話も収録されています。