ドラえもんのレースブレスレットなど

 今月初旬、ドラえもんパーマンのレースブレスレット各種が発売されました!
 
 腕時計風のデザインと、ドラえもんの顔・各種ひみつ道具パーマンバッジが連なったデザインとがあります。ブレスレットですから手首に巻いて楽しめるわけですが、それ以外にもストラップにしたり服に縫いつけたリ、といった用途があるそうです。オシャレでカワイイFグッズですね!


 
 ・ドラえもんシールコレクションスポーツ大集合!!
 シールの絵柄は、何かしらスポーツをやっている『ドラえもん』のキャラクターです。6月ごろに発売されたもの。シールの種類は全65種(ノーマルシール50種、レアシール15種)で、ひと袋につき10枚(ノーマル9枚、レア1枚)入っています。


 
 ・ドラえもんミニステッカー泣いて笑ってVer.
 これもレースブレスレットと同じく今月初旬に発売されたもの。ひと袋に全40種の小さなドラえもんステッカーが入っています。マニアックなセレクトもあって1枚1枚見てると実に楽しいです。(全部ではありませんが、LINEスタンプに同じデザインのものがあります)


 
 ドラえもんミニステッカー泣いて笑ってVer.は全部で40種あって、それがひと袋にすべて入っているわけですが、なかには、「やろう、ぶっころしてやる」と叫ぶドラえもんとか、口を封じたまま歌うドラえもんスネ夫にウスラデブと言われて心が折れたドラえもんのび太が裸眼で見たドラえもんまであって実に愉快でうれしいです。
(※ここから、「ドラえもんだらけ」「メロディーガス」「好きでたまらニャい」の内容に触れていきます。すでによく知っている話なので今さら内容を紹介されてもなあ…と不機嫌になる方はご注意を・笑)



「やろう、ぶっころしてやる」と叫ぶドラえもんが登場する話は「ドラえもんだらけ」です。「ドラえもんだらけ」は、そこそこ複雑なタイムパラドックスとテンポのよいドタバタギャグが見事に融合した傑作。そのなかでも、ブチギレたドラえもんがスパナを持って「やろう、ぶっころしてやる」と狂暴性を露呈するシーンは最大級のインパクトを与えてくれます。ドラえもんのセリフと表情が実にすさまじい(笑)持っているモノも物騒です。
「やろう、ぶっころしてやる」のほかにも、さまざなま場面でドラえもんのオモシロ表情が冴えわたっているのが「ドラえもんだらけ」の魅力的な特徴です。不吉な予感をおぼえつつドラ焼きに手を出して、やっぱりのび太の罠にかかったことを悟ったドラえもんの表情など絶品!(のび太に宿題を頼まれた瞬間の表情も、次のコマで、宿題が2、3日分たまっていることをのび太に告げられたときの表情も秀逸!)。
 ラストのコマで、のび太ドラえもんに無理を言ったことを素直に謝ります。そのときのび太が差し出したドラ焼きを怖がるドラえもんの表情もおもしろい。
ドラえもんだらけ」は、ドラえもんの表情芸がドラえもんが気の毒になるほど冴えわたったお話なのです(笑)



 口を封じて歌うドラえもんが描かれるのは「メロディーガス」です。音楽イモを食べて体内にガスを貯め、それをお尻から上手に出すと、口を閉じたまま歌えちゃう…というお話です。
 この話も笑えますよねえ。のび太が隠し芸として友達の前で口を閉じたまま(すなわち、おならで)歌っていると、それを聴いたしずちゃんが澄まし顔で「ヘ長調ね」とつぶやきます。のび太がおならで歌っている珍妙な状況と、しずちゃんの何の他意もない澄まし顔と、「ヘ長調ね」という的を射た言葉遊び的セリフとが相俟って、不意打ちのように笑いを誘われます。しずちゃんは、のび太がおならで歌っていることなど知りませんから、おならを意識して「ヘ長調」と言ったわけではありません。意図せずして、“のび太がおならで歌っている”という隠された真実を「ヘ長調」なる音楽用語で鋭く言い当ててしまったのです。しかも、しずちゃんは無自覚のうちに、ちょっとお下劣なダジャレを言ってしまった格好になっています。
 きっと、このときのび太が奏でていた曲はヘ長調で間違いないのでしょう。しずちゃんはただヘ長調の曲をヘ長調と指摘したにすぎないのに、その指摘が彼女が意図しないところで、のび太が内緒でおならで歌っていることを言い当てたり、ちょっとお下劣なダジャレと化したりして、別のニュアンスを含み持ってしまっているのです。それがとても可笑しい。
 のび太がお尻からあふれ出ようとするメロディーガスを我慢しきれなくなったときドラえもんが発する「もとせんしめる!」の一言も、笑いの起爆力が充分です。「この場合の“もとせん”って何のことを指すのだろう…?」と思いつつ、その部分にあれこれ想像を巡らすと、このお話のお下劣度に拍車がかかったような気分になり、笑いがますます喚起されるのです。
「メロディーガス」は、ナンセンスなラストもたまりません。のび太は音楽イモを食べすぎたためメロディーガス(=自分のおなら)の調整ができなくなったあげくガス爆発を起こし、その勢いで空中へ飛び出します。お尻からガスを噴射しながら飛ぶのび太の姿だけでもバカバカしくて可笑しいのですが、そのうえドラえもんが「おうい。うちは、こっちだよう」と遠くから声をかけているのです。のび太は自力でガスを調整できなくなっていますし、それどころか意識も定かではないようで、自分の行き先をまるでコントロールできない状態です。ドラえもんだってそれを分かっているはずなのに、「おうい。うちは、こっちだよう」とズレたことを言っている。しかも、のび太がどこへ飛んでいくかわからない非常事態なのに、妙にのん気な様子です。そんなドラえもんののんびりしたズレっぷりがおもしろくて笑えます。



 スネ夫にウスラデブと言われて心が折れるドラえもんは、「好きでたまらニャい」で描かれています。路上ですれちがいざまに「ウスラデブ」なんて言うスネ夫がまず無条件でひどいのですが、このお話では、スネ夫の言動がひどいだけでなく、のび太しずちゃんもひどい言動を見せてくれています(笑) のび太は、ドラえもんが悩んでいることを知ると、体をよじりながら大笑いします。腹の底から笑います。笑いが止まらないくらい笑います。その大笑いを始める寸前ののび太なんて、“ドラえもんが悩んでいる”という事実を心底バカにしたような表情を浮かべます。ドラえもんに対して失礼きわまりない(笑)
 しずちゃんしずちゃんで、のび太に留守番を押しつけてスネ夫と遊びに出かけてしまいます。のび太は、女の子と仲良くなる方法をドラえもんに伝授するため「きみのためならどんなことでもしてあげたい…」などと心にもないことをしずちゃんに言ったので、それはそれでしずちゃんに失礼です。が、そんなのび太の言葉にちゃっかり乗っかって、よりによってスネ夫と遊びに出かけてしまうなんて、ずいぶんといえばずいぶんではないですか(笑) 嬉々とした様子で「るすばんができたから、でかけられるわ」と誰かに電話するしずちゃん。それを見たのび太が「るすばんってだれのこと?」と尋ねると、しずちゃんはあっさりこう答えます。「もちろんあんたよ」−−。
「もちろんあんたよ」って……
 あなりにもつれない言葉じゃないですか(笑)



 いま私がくどくどと書いてきた笑いが、『ドラえもん』では簡潔な表現と絶妙な間合いで描かれています。私がくどくどと書くまでもなく、ほんの少しコマを読むだけで瞬時に笑えるのです。お見事です。
ドラえもんだらけ」も「メロディーガス」も「好きでたまらニャい」も、ギャグマンガとしての『ドラえもん』の魅力がぞんぶんに発揮されたお話です。『ドラえもん』好きにはあまりにも有名な話ですから、今さら私が内容を紹介するまでもないのですが、これらの話で自分の笑いのツボを押されまくった経験を語りたい衝動にかられたのです。
 いま公開中の『STAND BY MEドラえもん』のように感動系のお話がクロースアップされるのはもちろんよいのですが、たまには笑いに徹した映画を(大長編のオマケ的な掌編でよいから)やってくれたらいいのになあ、と思ったりもします。



※上で紹介したレースブレスレットなどと同じエンスカイから11月に発売予定の「藤子・F・不二雄キャラクターズ つむつむ」が藤子ファン仲間のうちでちょっと話題になっています。ドラえもんコロ助パーマンバッジ、チンプイ、魔美のブローチ、デンカ、モンガー、モジャ公ポコニャンを自由に積み上げて遊ぶ玩具です。
 こちらにチラリと画像があります。
 http://www.styletoy.com.tw/buy/main_view.php?index_id=22147