スキマスイッチ「ボクノート」

 映画『のび太の恐竜2006』の主題歌、スキマスイッチが歌う「ボクノート」のCDが発売された。通常盤(1260円)と初回生産限定盤(1575円)の2種のうち、私は初回生産限定盤を購入。限定盤のほうは、「ボクノート」のビデオクリップとスキマスイッチのドキュメント映像が収録されたDVDが特典なのだが、私が限定盤を欲した最大の理由は、ジャケットにドラえもんの姿があったからだ。冬枯れの景色に包まれた河川敷の公園で、スキマスイッチの2人がドラえもんと並んで穏やかにたたずんでいる。そんなジャケット写真に心を誘われたのだ。通常版のジャケットにはドラえもんの姿は見あたらない。
 通常盤がどうなっているか分からないが、限定版のCDのデザインが一枚まるごとドラ焼きに模してあるのも気がきいている。『ドラえもん』のタイトルロゴと同じデザインで「スキマスイッチ」とプリントされているのも嬉しい。
 また、特典のDVD映像のなかにちらりとドラえもんが登場したことが、私にとっては予期せぬ特典だった。



 肝心の楽曲がどうだったかといえば、じっくり聴けば聴くほど感動がこみ上げてくる素敵なものだった。透明でのびやかな歌声と、やさしく懐かしげな曲調と、希望の光がほのかに浮かぶ歌詞とが、ささやかだけれど芯のある勇気を心のうちに芽生えさせてくれる。どうしても先へ進めなかったり、些細なことで迷い悩んだり、大事な思いを打ち明けられなかったり、今の自分を嫌いになったり… そんな日々の痛みと向き合うことで、少しずつあるがままの自分を受け入れ、しだいに自分と他人に心を開けるようになる。次の一歩がどうしても踏み出せずにいるとき、この曲を聴くことで一歩だけ前へ進む力を得られそうだ。



「何をしても続かない子供の頃の僕は…」という歌詞は、のび太をイメージしたものと感じ、この部分で目頭が熱くなりかけた。