藤子ファン懇親会in大阪(2日め)

 梅田の街にあるビジネスホテルで宿泊した5人は、 翌8日、まず大阪府立国際児童文学館へ向かった。ここは子どもの本を数多く所蔵する図書館で、吹田市万博記念公園内にある。通常の図書館に所蔵されることの少ないマンガ雑誌や別冊付録が相当数あるので、単行本未収録の藤子マンガを少しばかりコピーしようとの目的でおもむいたのだ
 万博記念公園には、1970年この地で開催された大阪万博のシンボル「太陽の塔」(岡本太郎・作)がドーンと建っていて、モノレールのなかからその威容を眺めることができた。私は大阪万博に連れて行ってもらったことがあるのだが、当時2歳だったのでまったく記憶に残っていない。家族と撮った写真が残っているため、「ああ、私も大阪万博へ行ったんだ」と確認できるだけである。



 国際児童文学館では、単行本未収録の藤子マンガを数話コピーした。このとき最高に感激的だったのが、藤子・F・不二雄先生が若い頃に描いた別冊付録『バラとゆびわ』の現物を手にとれたことだ。「少女クラブ」昭和30年お正月増刊号の別冊付録として発表された『バラとゆびわ』は、今では、数ある藤子先生の別冊付録のなかでも最高レベルのプレミア価格がついている。その価格は、状態や販売者によって違ってくるだろうが、最低50万円以上はすると言われている。ある古書店の目録で80万円の値がついているのを見たこともある。(いちばん高額のプレミア価格がつく藤子別冊付録は『三人きょうだいとにんげん砲弾』だろう)


 そんな『バラとゆびわ』の現物を手にとって眺めることができたのだから感激しないわけがない。
 この作品は、藤子A先生の『まんが道』でほぼすべてを読めるのだが、今回Hさんと黒幕組合さんがオリジナル版とまんが道版を入念に読み比べて、異なった点をチェックしてくれた。


 午後は難波へ移動し、「まんだらけなんば店」やその隣のフィギュアショップなどを巡った。私は、まんだらけサンコミックス『メゾンZ』(石森章太郎)が300円程度で売っているのを見つけて購入。状態はかなり悪いが、私がこの単行本を買った理由は、巻末で藤子先生が解説文を書いているからで、本そのものの状態はどうでもよく、値段が安いことが重要だったのだ。


 夕方からは、居酒屋に入って帰りの電車の時刻が来るまで飲み会。居酒屋を探して適当に歩いていたら、たまたま8月の懇親会で入った居酒屋と同じ店にたどりつき、そのときのメンバーも前回とまったく同じ顔ぶれだった。
 この2日間の感想や諸々の藤子話をしながらリラックスした。そのさい、ここにいる面子の顔がどんな有名人に似ているかという話題になり、私はBさんから「旧作の『忍者ハットリくん』に出てくるケン一くんのパパ」と言われた。1980年代のリバイバル版ではなく、1960年代の旧作で描かれたケン一くんのパパというのがポイントだろうか(笑)