ダッピ灯

 自宅の庭(アパート1階のバルコニー部分)の一部が草むらのようになっているのですが、先日そこで脱皮したばかりのバッタ(トノサマバッタと思われる)を見つけました。
 
 地面に抜け殻が落ちていたので、脱皮したばかりなんだと分かりました。
 


 バッタは、卵から孵化したばかりの幼虫を1齢とし、その後脱皮をするたびに2齢、3齢と成長。終齢幼虫まで達して次に脱皮すると成虫になります。こういう成長の仕方を不完全変態といいます。カブトムシなどのように、幼虫と成虫のあいだにサナギの状態があるものは完全変態です。


 今回見つけたバッタは、終齢幼虫から成虫へと脱皮した個体のようです。
 写真を撮るためケータイを近づけても、少し脚に力をこめるだけで逃げ出したりはしませんでした。脱皮後、体が固まるのを待っているのでしょうか。色もまだ薄めのような気がします。
 

 脱皮といえば、『ドラえもん』の「からだの皮をはぐ話」(てんとう虫コミックス14巻、藤子・F・不二雄大全集4巻所収)が思い出されます。
 この話でドラえもんが四次元ポケットから出す道具が“ダッピ灯”…。これで人の体を照らすと、古い皮膚の下に新しい皮膚ができて、古いほうがすぽっと脱げてしまうのです。脱げた皮膚を空気で膨らますと、外見がその人そっくりの人形状態になります。
 ダッピ灯で照らされて体がむずむずしてきたのび太が、ドラえもんに「ぬいで!はやく!」と急かされながら服を脱いでいく流れのなかで自分の皮膚まで脱いでしまうシーンがすこしふしぎですこしショッキングで楽しいです。