渋谷直角さんの『直角主義』

 新書館から刊行された渋谷直角さんの新著『直角主義』をご恵贈いただきました。ありがとうございます。
 
 同書は、渋谷さんのブログ「ロベルトノート」の記事をベースに書き下ろしを加えた、渋谷さんの自叙伝的エピソード集です。
 渋谷さんが実際に遭遇した、愉快で奇妙なお話が満載。変なんだけど憎めない人や、トホホな感じなのに何だかほろりとするエピソードなどが、脳の凝りをほぐしてくれます。


 カバー見返しの4コママンガで紹介された、終始無表情で小ボケをかます店主さんの話から心をつかまれました。
 スーパーのアルバイトの行動を観察することが連続ドラマのような展開になってるところとか、ガー子の意外な真実とかも面白かった。
 渋谷さんが妹さんにインタビューする企画は、兄妹の微妙な距離感が味わい深くてほほえましいです(笑)


 当ブログをよく読んでくださっている方ですと、多くの方は、渋谷直角さんといえば2009年に刊行された「定本コロコロ爆伝!! 1977-2009『コロコロコミック』全史」(飛鳥新社)の編著者としての印象が強いんじゃないでしょうか。
 
 こういう本を出されたことからもわかるとおり、渋谷さんは大の藤子好きなので、『直角主義』のなかでも、藤子とは関係のない話題でありながらちらほらと藤子関連の語が出てきます。藤子キャラの名が比喩として使われている場合が多いかな。
 私が気に入った比喩は、曙コミックスの赤塚不二夫マンガの表紙デザインがかもすイメージを、
「マンガの中に出てくる『マンガ本』」感があるっていうか、「のび太とかがゲラゲラ読んでるやつ」って感じがあるっていうか、
 と表現しているところです。
 ほかに、怪物くんやオバQが比喩に使われたりしています。
 こういう読み方はまことに瑣末主義的で偏っていると思いますが、当ブログらしい目線で『直角主義』を紹介させていただきました^^


 ●「ロベルトノート」
 http://chokkaku.jugem.jp/
 ●「定本コロコロ爆伝!! 1977-2009『コロコロコミック』全史」発売!
 http://d.hatena.ne.jp/koikesan/20090602