大平透さん逝去

 きのうの夕方、車の運転中にラジオで大平透さんの訃報に接しました。ハンドルを握りながら目に涙が浮かびました。
 幼いころ観ていた『ハクション大魔王』。その声の記憶は今も鮮やかです。楽しい記憶です。心が浮き立つ思い出です。
 そして、『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造!先週氷見へ行ったとき喪黒のモニュメントに会ったばかりです…。
 
 
 ・喪黒と自撮りのツーショット(^^)


 藤子不二雄A先生の『笑ゥせぇるすまん』は、もともと『黒ィせぇるすまん』というタイトルでした。知る人ぞ知るマニアックな作品だったのですが、アニメ化によって多くの人が知るメジャー作品になりました。喪黒福造というキャラクターが多数の人に強烈な印象を与え、こんなにも存在感を獲得した大きな理由のひとつは、まちがいなく大平さんの声の力です。
 喪黒福造のことを頭の中でイメージするとき、大平さんの声は大きなウェイトを占めます。喪黒のあのインパクトのある奇怪なルックスに拮抗する大平さんの声の魔力・魅力は、とてつもないものがあると思います。


 大平さんの訃報を格別に悲しく感じたのは、個人的な理由もあります。大平さんに喪黒の声で私の名前を紹介していただいたことがあるのです。NHKのテレビ番組『まんが道をゆけ!』に出演したさい、大平さんが喪黒の声でナレーションを担当され、私が画面に登場したとき紹介してくださったのです。喪黒福造に自分の名前を呼んでもらえたということ。その重みと喜びを、いま悲しみとともに噛みしめています。
 藤子不二雄A先生の生家・光禅寺にある喪黒の石像のお腹を、ビビる大木さんと私が「この腹!(笑)」と言いながら撫でたときには、ナレーションで「すみませんね〜(笑)」と切り返してくださいました。自分の行為に大平さん(=喪黒)がリアクションしてくれたのはとても貴重でありがたい出来事でした。
 それだけの接点ですが、私にとっては掛け替えのない思い出です。

 
 大平さん、長いあいだほんとうにありがとうございました。
 謹んで哀悼の意を表します。