最新の恐竜映画である『のび太の新恐竜』が公開された!ということで、記念の意味も込めて、恐竜映画の始祖と言われる『ロスト・ワールド』(1925年)をこのタイミングで再見したいと思い、DVDで観てみました。
おかげで、最新と最古(?)の恐竜映画を同じ時期に鑑賞する喜びにひたれました。
この映画を公開当時に観た人々は、ストップモーション・アニメーションの恐竜たちを目にして、
恐竜が生きてる!動いてる!
という驚きと感動をおぼえたことでしょう。
映画でもそのほかの媒体でも、当時は恐竜が動く映像なんて見たことがない人が大半だったでしょうから、その驚きと感動は私が想像する以上にとてつもなく大きかったと思います。
コナン・ドイルが書いた原作小説では、男性4人組の英国人探検隊が恐竜の生き残っている大地へ探検に向かいます。
それがこの映画では、女性のポーラが探検隊に加わります。そして、ポーラと主人公マローンとのロマンスが描かれます。そこのところが、原作小説とのくっきりとした違いだなと感じました。
火山の噴火によるパニックシーンも原作にはなかったような気がします。
私が感じた原作との最も大きな相違は、恐竜の世界からロンドンへ連れて帰った古代生物が、原作では翼竜だったのですが、それがブロントザウルスに変更されたところです。さらに、そのブロントザウルスが街へ逃げ出して暴れるところも原作小説にはない展開で、そこがこの映画最高のスペクタクルシーンでした。
ところで、この1925年版の映画『ロスト・ワールド』に、焚火を囲む探検隊の前に肉食恐竜のアロサウルスが現れるシーンがあります。それを見て思い出したのが、大長編ドラえもん『のび太の恐竜』のあるシーンです。
『のび太の恐竜』のなかに、焚火を囲むのび太らの前に肉食恐竜ティラノサウルスが現れるシーンがあるのです。
・映画『ロスト・ワールド』より。焚火をする探検隊の前に現れたアロサウルス。
・てんとう虫コミックス『大長編ドラえもん のび太の恐竜』(藤子・F・不二雄著、小学館、1983年初版発行)71ページより。焚火するのび太やドラえもんらの前に現れたティラノサウルス。
シルエットのティラノサウルスの両眼が光り、その光が暗闇に浮かぶ描写を見ると、映画『ロスト・ワールド』のアロサウルス出現シーンとイメージが重なります。藤子F先生が『ロスト・ワールド』に捧げたオマージュシーンではないでしょうか。
映画『ロスト・ワールド』に出てくるアロサウルスがじつに好戦的だったのも印象深いです。トリケラトプスやブロントザウルスなどの恐竜に次々と襲いかかっていたのです。
肉食恐竜が植物食恐竜を襲うシーンは(襲われる側には災難ですが)恐竜の生態をエンタメで描くときの見せ場になりますね。
※ドラえもん関連TV番組の情報
9月23日(水)午後6:55から放送予定のEテレ『沼にハマってきいてみた」』のテーマは「10代のプロ漫画家! ルーツはドラえもん?」です。
サバンナ高橋さんが司会で、ときわ藍さんがゲストなので、ドラトークで盛り上がりそうですね。とても楽しみです😊
https://www2.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&ch=31&date=2020-09-23&eid=00061&f=4984
藤子F先生のご命日にドラえもんを話題にした番組が放送されるのもありがたいところ♪
※映画『ロスト・ワールド』の原作小説を読んだときの記事はこちらです。