2月9日のことです。
特別展「化石ハンター展 ~ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣~」(以下「化石ハンター展」)へ行ってきました。
展覧会名:ロイ・チャップマン・アンドリュースの中央アジア探検100周年記念 特別展「化石ハンター展 ~ゴビ砂漠の恐竜とヒマラヤの超大型獣~」
会場:名古屋市科学館
会期:2023年11月11日(土)~2024年2月18日(日)
開館時間:9時30分~17時(入場は終了30分前まで)
「化石ハンター」とは、探究心に富み、抜群の行動力で貴重な化石を発掘・研究する挑戦者のこと。
この展覧会の主役は、20世紀前半にゴビ砂漠を探検し、化石発掘を行ったアメリカ自然史博物館のロイ・チャップマン・アンドリュースをはじめとする「化石ハンター」たちです。
この展覧会では、過去100年間に化石ハンターたちが「中央アジア」で発見した数多くの恐竜や大型哺乳類などの標本を、数々の研究成果とともに展示・紹介します。
映画『インディ・ジョーンズ』の主人公のモデル、といわれるロイ・チャップマン・アンドリュース。彼をはじめとする化石ハンターたちの中央アジア探検の概要と、発掘された恐竜化石の標本を堪能しました。
・アンドリュースは日本に滞在したこともあるんですね。
・アンドリュースの中央アジア探検隊が発見した化石がいろいろ展示されていたなか、特に印象的だったのは、ミイラ状になったプシッタコサウルスの化石です。なにしろミイラ状ですから。
・こちらもプシッタコサウルス。
・プロケラトサウルスの成長。
・ベロキラプトル、アーケオルニトミムス、バクトロサウルス
・ピナコサウルス。
・恐竜の卵化石発見!
・タルボサウルスは、アンドリュースの探検隊よりあとの探検隊(ソ連隊など)が発見したようです。やっぱり大型肉食恐竜の標本は迫力たっぷりでつい見入ってしまいます。
「化石ハンター展」では、恐竜ばかりでなく古代の哺乳類にもスポットがあてられていました。
史上最大の陸生哺乳類とされるパラケラテリウムや、陸生の肉食哺乳類では史上最大といわれるアンドリューサルクスの展示に、ずいぶん心引かれました。
・これが陸生肉食哺乳類最大といわれるアンドリューサルクスの化石です!
・パラケラテリウムの見上げるばかりの大きさには圧倒されるばかり。大きすぎるがゆえ名古屋会場で標本を展示するのが難しかったのか、標本そのものではなく写真での展示だったのが少し残念でしたが。
・ヒマラヤ・チベット高原に生息していた古代の哺乳類を紹介するコーナーもありました。このコーナーというか、この企画展全体の主役といってもよい展示品がこちら↓
生体復元モデルの精巧さ、リアリティにほれぼれ。あたかもそれが目の前で生きているような感覚を味わえました。
チベットケサイの生体復元モデルに見とれていると、「アジアに生息していた古代の毛深いサイ」つながりで『のび太の日本誕生』に出てきた古代のサイを思い出しました。ドラえもん一行が7万年前の日本に着いてすぐジャイアンとスネ夫を追いかけた、あのサイです。種類や時代などまるで違うのでしょうけど、「アジアに生息していた古代の毛深いサイ」というただそれだけの連想でチベットケサイから『のび太の日本誕生』のサイを思い浮かべたのであります(笑)
・「化石ハンター展」は巡回展ですが、最後の章は名古屋会場のオリジナルでした。東海地方で発掘された化石および化石ハンターにスポットにあてていてたのです。
・東海地方の恐竜化石の一つ、三重県鳥羽市で見つかったトバリュウは、国内で発見された恐竜のなかでも最大級ですって。
さて、いまいちど、タルボサウルスの全身骨格をご覧いただきましょう!
タルボサウルスといえば思い出すのが映画『のび太の新恐竜』(2020年公開)。この映画に、「ともチョコ」を分け合ってジャイアンと仲良くなった肉食恐竜“ゴル”が出てくるのですが、その肉食恐竜の種類がタルボサウルスだったのです。
・仲良しになったゴルとジャイアン!(『映画ドラえもん のび太の新恐竜』パンフレットより引用)
「化石ハンター展」で展示されていた恐竜化石はアジアで発見された恐竜なので、『のび太の新恐竜』に登場した恐竜たちと重なるところがありました。
(『映画ドラえもん のび太の新恐竜』パンフレットより引用)
タルボサウルスもそうですし、ほかにプロトケラトプスとかベロキラプトルも「化石ハンター展」で見られ、なおかつ『のび太の新恐竜』に出てきた恐竜です。
『のび太の新恐竜』は、ジュラ紀・白亜紀の(まだ大陸の一部だった)日本が舞台でしたから、日本にいてもおかしくないアジアの恐竜たちがいろいろと登場したのです。そこがこの映画の個人的な見どころの一つでした。
劇中では恐竜の種類があまり具体的に説明されなかったのですが、映画のパンフレットを見ると、登場した恐竜たちの種名がわかるようになっています。たとえば、ジュラ紀の日本でのび太らを追いかけたアロサウルスに似た肉食恐竜は「ヤンチュアノサウルス」だとわかります。
アジアの恐竜がこんなにも全面的に活躍する恐竜映画がかつてあっただろうか⁉と(あったかもしれませんが)感嘆したものです。
・「化石ハンター展」のグッズ販売コーナーにドラえもん関連本も置かれていました♪