ぴかコミスペシャル『のび太の恐竜』発売

koikesan2006-02-01

 ぴっかぴかコミックススペシャル『のび太の恐竜』が発売された。『のび太の恐竜』は現在、てんとう虫コミックスで手軽に読めるが、このたび発売された単行本は、昭和55年に刊行されたカラーコミックス版『のび太の恐竜』をぴっかぴかコミックスブランドで復活させたもので、てんとう虫コミックス版とは内容的にバージョン違いのような関係となっている。
 小学館サイドの宣伝文には、こうのように記されている。

かつて熱狂的に支持された「カラーコミックス版のび太の恐竜」が26年ぶりにぴっかぴかコミックススペシャルとして復活!!てんとう虫コミックス版とはひと味ちがった内容になっているよ。


 昭和58年、『のび太の恐竜』をてんとう虫コミックス化するにあたって、藤子・F・不二雄先生は、初出原稿に対して大幅に描きかえ・描き足しを行なっているのだが、カラーコミックス版は、そうやって加筆修正される前のバージョンで、コロコロコミックに連載された初出版とほぼ同一の内容を保持している。
 ただしカラーコミックス版は、初出版と違って、モノクロ原稿で描かれたページに指定で着色やアミカケをほどこしているため、見た目にはその点が大きな差異となっている。


 ここで、今の話に出てきた『のび太の恐竜』各バージョンについて簡単に整理しておこう。
●初出版:月刊コロコロコミック昭和55年1月号〜3月号連載(A4判)→トビラを除いた本編のページ数は150ページ
●カラーコミックス版:昭和55年4月7日発行(B5判)→初出版連載終了の翌月、映画公開に合わせて発売された。初出版とほぼ同じ内容だが、指定よるカラーページやアミカケ処理が見られる。ごく一部に、セリフの変更や、コマ順の入れかえもある。トビラを除いた本編のページ数は、初出と同じ150ページ
てんとう虫コミックス:昭和58年12月25日初版第1刷発行(新書判)→藤子・F先生が、初出版(≒カラーコミックス版)を大幅に加筆修正したもの。トビラを除いた本編のページ数は186ページ
ぴっかぴかコミックススペシャル版:平成18年3月5日初版第1刷発行(A5変形)→昭和55年発売のカラーコミックス版を新たな体裁で復活させたもの。古生物やひみつ道具に関する注釈が欄外に記載されている。トビラを除いた本編のページ数は150ページ


 各バージョンを順々に読んでいくと、恐竜の名前が、学説が新しくなるなどの理由でより正確なものへと修正されていることがわかる。
・初出時〝オルニトレステス〟だったものが、カラーコミックス版から〝オーニソミマス〟に修正されている。
・初出からてんとう虫コミックスの第何刷かまで〝ブロントサウルス〟だったものが、途中から〝アパトサウルス〟に修正されている。


 これまでてんとう虫コミックス版でのみ『のび太の恐竜』を読んできた人にとって、今回発売されたぴっかぴかコミックススペシャル版の大きな見どころは、てんとう虫コミックス版でカットされた〝大富豪ドルマンスタインの母船〟のシーンだろう。



 来月は、藤子両先生のぴっかぴかコミックスは発売されないのだろうか…
 http://www.s-book.com/plsql/com2_booksche?sha=1&jan=c&mm=1