藤子不二雄A先生の『巨人の復讐』（初出：「少年クラブ」昭和32年10月号別冊付録）が小学館クリエイティブから発売されました。
同時収録の『はやぶさ号西へ行く』（初出：「小学三年生」昭和33年11月号別冊付録）とともに、記念すべき初の単行本化です。
上の写真のとおり、『巨人の復讐』の初出別冊付録は10万円以上もの古書価格が付くほど高額だったので、おいそれと読むことができませんでした。それが1300円＋税で買えると思うと、まことに感無量です。
『巨人の復讐』は、『フランケンシュタイン』の物語を翻案した意欲作です。A先生はのちに怪奇テイストの作品をたくさん発表しますが、その先駆けとも言える一編でもあります。『フランケンシュタイン』といえば、A先生は『怪物くん』で“フランケン”をレギュラーキャラクター化し、気は優しくて力持ちの愛すべき存在へと昇華していますね。
『はやぶさ号西へ行く』は、東京から大阪へ向かう列車の中で展開されるスリリングな物語で、ラストまでグイグイと引っ張られます。
どちらも、A先生がトキワ荘在住時に描いた作品です。
