「三月の雪」

 今朝起きてみると、こんなふうに雪が積もっていました。
 
 3月のこの時期に、私の住む地域で雪景色を見ることになるなんて……。名古屋は3月としては最大の積雪だとか。


 3月にかなりの積雪があるといえば、『ドラえもん』の「三月の雪」という話を思い出します。ドラえもんが出した“お天気ボックス”の効力で3月に雪を降らせたつもりが、じつは自然に雪が降っていた、という話です。3月に相当量の積雪があるという珍しい状況の中で、子どもたちが雪遊びに興ずるシーンが印象的です。


 この話の中で、「今、このへんに雪をふらせてくれる人がいたら、きみ感謝する?」とのび太に訊かれたしずちゃんは、「ふらないでしょ、三月だもの」と答えます。
 のび太ドラえもんに、3月に雪を降らせたいと頼みますが、ドラえもんは「なにも、三月になって雪をふらせることないだろう」と切り返します。
 そして、お天気ボックスの力じゃなく自然に雪が降ったのだと判明したとき、ドラえもんは「三月ならひとりでに雪がふってもおかしくないよ」と述べるのです。

 「ふらないでしょ、三月だもの」
 「なにも、三月になって雪をふらせることないだろう」
 「三月ならひとりでに雪がふってもおかしくないよ」

 というこの一連のセリフが示すように、3月は、雪が降るなんてイメージはあまりないものの、自然に雪が降ったとしてもおかしくはない……そんな感覚を抱かされる月なのです。


ドラえもん』の舞台は東京ですから、この感覚は東京のものです(藤子先生のご出身県である富山なら、別の感覚となるでしょう)。私の住む名古屋の近辺も東京と似たような気候なので、3月の雪に関する感覚も似たようなものです。

 3月に雪のイメージはないけれど、別に雪が降ってもおかしくはない……。でも、今朝ほどの積雪があると驚くし、ちょっとした異変!?と感じてしまう……。
 それが3月の雪のイメージです。

(追記:翌朝の新聞の近郊版では、「季節外れの大雪」として、この時期に雪が降ったことで起きたエピソードを紹介する記事が掲載されました)