『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス愛蔵版』7巻

 F先生のお誕生日(12/1)に発売されたF作品の単行本4冊のうち上掲の写真の3冊はお誕生日当日に藤子・F・不二雄ミュージアムで購入したのですが、次の1冊だけは別ルートで注文していたのでFミュージアムで買いませんでした。

・『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス愛蔵版』7巻

 

 

 今巻から少年向けのSF短編になります。

 

 

・初版限定別冊は『みどりの守り神』の雑誌初出版。

 

 

・『みどりの守り神』は「マンガ少年」の記念すべき創刊号(1976年9月号)で発表されました。単行本収録時、初出から大幅に加筆修正されています。初出31ページだったのが単行本では48ページですから、読み味が相当変わっています。

 

 

 今巻の巻末に、「ボクラ共和国」と題したF先生の文章が収録されています。「季刊UTOPIA」9+10合併号(1982年)で発表されたものです。

 題のとおり『ボクラ共和国』に関する話をするのが本来の目的だったはずですが、この文章でF先生は、『ボクラ共和国』については何も語るべきことがない、失敗作だと自作品を突き放したうえ、全文の大半を使ってご自分のどん底時代を回想しています。

 私は40年ほど前の中学生時代この文章を初めて読んだのですが、そのネガティブで暗然とした調子の文面に心が波立ったことを覚えています。ショックというか動揺したというか、中学生の私にかなり強い印象を残しました。『ボクラ共和国』をそこまで否定するんだ……、藤子先生にそんなにつらい時代があったんだ……と。

・「季刊UTOPIA」9+10合併号(1982年)