藤子不二雄Ⓐと山田詠美と内田春菊

 1月23日ごろのことです。文藝春秋さまから新刊『タイニーストーリーズ』(原作 山田詠美、作画 内田春菊)をご恵贈いただきました。

f:id:koikesan:20210120165550j:plain

 ありがとうございます!

 

f:id:koikesan:20210120165711j:plain

f:id:koikesan:20210126195623j:plain

f:id:koikesan:20210120165620j:plain

 山田詠嘆ワールドを内田春菊タッチで読むなんて、なんと艶っぽい体験でしょうか!

 ひとつひとつの短編に登場するそれぞれの女性たちが抱えた感情や秘めた出来事に心がざわつき、わななきました。

 読み終えてみると、壇蜜さんの帯コメントが言い得て妙だなあと感じられてきます。

 

 この作品集の原作者である山田詠美さんも、マンガを執筆した内田春菊さんも、藤子不二雄Ⓐ先生と交遊をお持ちです。いわゆる飲み友達ですね♪

f:id:koikesan:20210126180039j:plain

f:id:koikesan:20210126180230j:plain

 山田詠美さんといえば、2013年発売の彼女のエッセイ集『熱血ポンちゃんから騒ぎ』(新潮社)の表紙画を藤子Ⓐ先生が手掛けておられます。詠美さんの絢爛たるお姿が華麗なる藤子Ⓐタッチで表現されています。

 こうして藤子Ⓐ先生画の詠美さんのお顔を眺めていると、詠美さんの容貌は藤子Ⓐ先生好みの美人さんだなあと思えてきます。

 

f:id:koikesan:20131217192224j:plain

 同じ2013年に復刊ドットコムから発売された藤子Ⓐ先生の単行本『愛たずねびと』で詠美さんが解説を担当したことも思い出されます。

 

f:id:koikesan:20140906165221j:plain

 そして、2013年には私が詠美さんのサイン会に参加する、なんてこともありました。

 

 というわけで、2013年は例年と比べ山田詠美さん関連の事象と接する機会が多い年となったのでした。

 

 内田春菊さんとの交遊については、藤子Ⓐ先生から直接お話をうかがったことがありますし、秋田文庫『シャドウ商会変奇郎』第2巻(1994年発行)巻末の解説で春菊さんが言及していることも印象深いです。

 春菊さんのその解説によると、藤子Ⓐ先生は春菊さんが描いたホステスのマンガ『水物語』を読んで「主人公が彼女に嫌われていく感じがわかる気がする」といった感想を持たれたそうです。春菊さんは「安孫子先生はとてもピュアな女性観をお持ちだという感じがする」と書いています。

f:id:koikesan:20210126192046j:plain

 また、春菊さんは「『呪いのワンピース』という、綺麗なワンピースに魅せられた少女たちが次々と不幸になる漫画を描いたときも、安孫子先生の企画で美しいアニメーションに仕上げていただいた」というエピソードを紹介しています。藤子Ⓐ先生は『呪いのワンピース』について「読んだときから映像などの何かにしてみたかった」とおっしゃっていたそうです。

 残念ながら私は、アニメ『呪いのワンピース』を観ていないのですが、以前このアニメについて調べてみたら、藤子Ⓐ先生原作のアニメ『笑ゥせぇるすまん』『さすらいくん』などを番組内の一コーナーとして放映していたバラエティ番組「ギミアぶれいく」(TBS系)の枠内で放映されたようです。オンエアされたのは1992年8月25日のことで、『呪いのワンピース 祐子/香穂理/美智代』という3部構成だった模様です。

「ギミア・ぶれいく」の準レギュラー出演者だった藤子Ⓐ先生が、ご自分の受け持つコーナーで『呪いのワンピース』アニメ化を企画されたのかなあ…と推測しております。

ドラえもんのペッツ

 ドラえもんの「ペッツ」が売ってるところにようやく巡り会えました。

f:id:koikesan:20210301150137j:plain

 今年1月に発売、との情報を知り、店で見かけたら買おうと思っていました。

 ドラミちゃん版も出ているようですが、今回はドラえもん版のみが、しかも残り一個だけ売っており、それを購入した次第です。 

f:id:koikesan:20210301150257j:plain

f:id:koikesan:20210301150351j:plain

f:id:koikesan:20210301150356j:plain

f:id:koikesan:20210301150317j:plain

 

 ドラミちゃん版も、もし見かけたら買おうと思っています。

「幼稚園」の付録に『のび太の宇宙小戦争2021』の一番くじ!

 本日(3/1)発売の「幼稚園」4月号。付録に強く魅惑されて買ってしまいました😄

f:id:koikesan:20210301185343j:plain

f:id:koikesan:20210301190227j:plain

『映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021』の一番くじを自宅で思うぞんぶん引けちゃうんですもの!こんなの欲しい衝動にかられまくりますよ(笑)

 

f:id:koikesan:20210301185607j:plain

f:id:koikesan:20210301190134j:plain

 まだ組み立てていませんが、A賞からF賞(+ラストワン賞)まであって、本格的な一番くじごっこを楽しめそうです。

  本物のくじ券が66枚入っていて、賞品は67個。その賞品もすべて付録です。

 

A賞 どこでもドア ポスタースタンド×1

 高さ30センチの組み立て式紙製のビックスタンド!フォトスタンドにもなります!

 

B賞 スモールライトえんぴつ×1

 スモールライトのデザインの本物えんぴつ!

 

C賞 ショックガン わごむでっぽう×1

 組み立て式紙製の輪ゴム鉄砲です。

 

D賞 ジャイアン サイン色紙×2

 ジャイアンのオリジナルサイン!

 

E賞 スタンドフィギュア×24(12種類)

 組み立て式紙製のスタンドフィギュアです。

 

F賞 ダイカットシール×37(18種類)

 キャラクターたちのシールです。

 

ラストワン賞 ビッグライトえんぴつ×1

 ビッグライトのデザインの本物えんぴつ!

  こんな面白い付録がついてしまったのですから、「幼稚園」の対象年齢からきわめて大幅に著しく外れた私ですが「買うしかない!」という思いにとらわれました。

 

f:id:koikesan:20210301165139j:plain

「幼稚園」は、私の藤子ファンとしての個人史において一つの起点となった、重要な雑誌なんですよ。

 私が未就学児のころ「幼稚園」に連載されていた『モッコロくん』こそが、生まれて初めて「このマンガ好き!」とはっきり自覚した藤子マンガなのです。

 そんな大切な雑誌の最新号を久しぶりにわが家にお迎えできて、ちょっと感慨深いです♪

Qちゃんのお誕生日

f:id:koikesan:20170603153813j:plain

 Qちゃん、お誕生日おめでとう!

  (Qちゃんの誕生日は、昭和39年2月28日です♪)

 

 上のお祝い画像は「ショウワのプレイ・ブック 新オバケのQ太郎」の「Qちゃんのなかよしチケット」のページにあったものです。

f:id:koikesan:20170603153417j:plain

f:id:koikesan:20170603153812j:plain

  「ショウワのプレイ・ブック 新オバケのQ太郎」は、各ページが何らかの遊びやゲームになっています。指人形だったり輪投げだったり面子だったり福笑いだったりなぞなぞだったりと多彩に遊べます。

映画『トキワ荘の青春』デジタルリマスター版の上映が名古屋で始まる

 2/27(土)から名古屋シネマテークで映画『トキワ荘の青春』デジタルリマスター版の上映が始まりました。

 初日にさっそく鑑賞。

f:id:koikesan:20210227120355j:plain

f:id:koikesan:20210227130723j:plainf:id:koikesan:20210227120128j:plain

f:id:koikesan:20210227130745j:plain

f:id:koikesan:20210227130837j:plain

f:id:koikesan:20210227130932j:plain

 この映画、今まで何度か観ているのですが、今回の鑑賞がいちばん心揺さぶられました。

 あまり劇的ではない映画です。

 どちらかといえば淡々と進んでいく映画です。

 静謐な空気感に包まれた映画です。

 なのに、私の感情はずっと動かされっぱなしでぜんぜん静謐を保てませんでした。

 

 序盤、テラさんと二人の藤子先生が初めて顔をあわせテラさんの部屋で火鉢を囲んで湯呑でお茶を飲むシーンを観たところで、すでに泣きそうになりました。深夜になって手塚先生がトキワ荘の自室に帰ってきて廊下で物音がして、テラさんの部屋で睡眠中だった藤子先生が飛び起きて手塚先生の姿を必死で見ようとするところでも胸が熱くなりました。

 そんな調子で、この映画を観ているあいだたびたび胸がジーンとしたのです。

 

 劇的な物語性のある映画ではないながらも、登場人物のなかで比較的ドラマチックな存在に見えたのは、古田新太さん演じる森安直哉先生でした。作品が認められない鬱屈、でも容易にはあきらめられない漫画への情熱、身からにじむようなつらさ。そして、ついにはトキワ荘をこっそりと去っていく……。そんな“森安ドラマ”が胸に迫りました。

 大森嘉之さんが演じる赤塚不二夫先生も、途中までは森安先生と同様の境遇でした。まわりの仲間たちが売れていくなか取り残されていく様子がじつに切なかったです。読者の少年たちがサインをおねだりにトキワ荘へ来たとき、サインを求められたのは石森先生と藤子先生でした。そのとき同じ部屋にいた赤塚先生だけがポツンと取り残された状況には残酷さすら感じました。

 ただし、赤塚先生はその後『ナマちゃん』の連載で人気者になり、つらい立場から脱していきます。そこは森安先生とは対照的ですね。

 

 そして、この映画の主人公・本木雅弘さん演じるテラさんからもまた切なさを感じずにはいられませんでした。トキワ荘の精神的な柱であるテラさんが見せる頼もしさ・やさしさ。そんなしっかりとしたまじめな人格から、かすかににじむ憂いや孤独。とくに映画の終盤、自分が理想とする子ども漫画を描き続けようとするあまり時流から外れていき編集者にとってちょっと厄介な存在になりつつあるテラさんの姿は、無性に切なくて寂しかったです。

 部屋で寝ころんだ本木さんの横顔がアップになったとき、私のなかで本木さんとテラさんが最も重なって見えました。特に鼻のかたちが抜群にテラさんとダブりました😄

f:id:koikesan:20210227185839j:plain

f:id:koikesan:20210227190028j:plain

 市川準監督は、昭和30年代あたりの青春物をやりたい、アパートの映画を撮りたい、という思いを先にお持ちで、そこからトキワ荘という格好の題材があったなとひらめいたのだそうです。

 市川監督ご自身は漫画マニアではないし、トキワ荘の先生がたにのめりこんでいたわけでもなく、漫画家の青春というよりはアパートの青春をやりたかったのです。そういう監督の引いた目線が、この映画に登場する漫画家たちの描写に反映しているのかなあと思います。各漫画家に対して過度な思い入れをしていない感じ…といいますか。それぞれの漫画家をあまり大きくクローズアップせず、少し距離をとって観察している感じ…といいますか。

 そのように距離をとって観察してはいるのだけど決してドライな態度ではなく、一人一人の事情を察しその心情に寄り添おうとしている空気も感じました。

 

 デジタルリマスター版ということで、友人が言うには「書棚に並ぶ本のタイトルもよく見えた」そうです。私はそこまで細部を確認できておらず、デジタルリマスター版の恩恵をあまり実感できないまま観終えてしまった感があります。そのリベンジのためにも、もう一度観に行きたいくらいです。

『とっておきドラえもん わきあいあい家族編』

 2月26日、『とっておきドラえもん わきあいあい家族編』が発売されました。

「通常版」と「特典付き特別版」の2バージョンが発売され、特別版のほうを購入しました。

f:id:koikesan:20210226163237j:plain

f:id:koikesan:20210226163335j:plain

f:id:koikesan:20210226163429j:plain

 

 帰宅して開封の儀。

f:id:koikesan:20210226171629j:plain

f:id:koikesan:20210226171912j:plain

f:id:koikesan:20210226171820j:plain

 特典の「いってらっしゃいマグネット」と「おかえりなさいマグネット」が姿をあらわしました!

 

 

 本書は「家族」をテーマとする話を集めた傑作選で、収録作品は以下のとおり。

 

・ママをとりかえっこ

・弟をつくろう

・夢まくらのおじいさん

ドラえもんとドラミちゃん

・ママのダイヤを盗み出せ

・ソノウソホント

スネ夫は理想のお兄さん

・ふんわりズッシリメーター

・人間カメラはそれなりに写る

・くろうみそ

・しんじゅ製造アコヤケース

のび太のなが~い家出

のび太の息子が家出した

・地下鉄をつくっちゃえ

のび太が消えちゃう?

ジャイ子の新作まんが

・パパもあまえんぼ

 

「けっきょく、親だって、人間だもんな」「神さまじゃないんだもんな」といったセリフが子どものころから私の心に刻まれ続けている「ママをとりかえっこ」が1本目に収録されていてテンションが上がります。

 子どものころは、親というか大人というのは子どもとは比較にならないほどしっかりしていて完全性の高い別次元の存在に見えていたこともあったのですが、この話を読んで「けっきょく、親だって、人間だもんな」「神さまじゃないんだもんな」というのび太らの結論的なセリフに触れたとき「ああ、親も自分とおんなじ人間で、機嫌が悪いこともあれば一時的な(自己中心的な)感情で子どもにあたることもあるんだなあ」と、それまで自分がなんとなく抱いていた大人へのイメージとは別の見方を与えられた気がしました。大人も子どもも同じ人間であることはわかっているつもりでしたが、それでも大人のほうが別格的に完全性の高い存在に見えていました。そんな大人に対する私のイメージがざわざわと揺らいだのが「ママをとりかえっこ」の終盤を読んだときだったのです。

 

「人間カメラはそれなりに写る」も収録されてるんですねえ!この話を初めて読んだのは「藤子不二雄ランド」だったかなあ。「のび太のパパとママって新婚旅行は札幌へ行ったんだ!」と思った記憶があります。のび太が65点も取った!と家族全員で大はしゃぎする冒頭シーンも好きです。

 

 ほかの話も傑作ぞろいですね。

 

f:id:koikesan:20210226172505j:plain

 特典のマグネットはやはり冷蔵庫にくっつけたくなりますね♪

書店の壁にドラえもんの顔

 2月21日のこと、ある書店で目撃した情景です。

f:id:koikesan:20210211180948j:plain

 児童書コーナーの壁一面にドラえもんの顔が!

 

 このドラえもんを店内の少し離れたところから見つけた幼い女の子が「わー、ドラえもん!ちゅき~♪」と駆け寄り、「見て~!」とママさんを呼んでいました。

 いまの幼児にもドラえもんが愛されていることを肌感覚で知ることができてよかったです。

 心和むシーンでした。