【東京、マンガをめぐる旅(7)】12月15日(火)

『スーパージェッター』『風のフジ丸』『冒険ガボテン島』などで知られるベテラン漫画家・久松文雄先生の仕事場を訪問させていただきました。
 
 ・久松先生からいろいろと興味深いをお話をうかがいました。


 久松先生の近年の代表的なお仕事が『まんがで読む古事記』です。古事記の内容に忠実な漫画化ということで平成24年に『神道文化奨励賞』を受賞されています。
 
 ・『まんがで読む古事記』の原画を見せてくださったり、創作秘話を聞かせてくださったり。原典に名前の登場する人物(神々)はすべてキャラクター化している、作品の雰囲気に合わせてスクリーントーンは使っていない、といったお話が印象的でした。


 
 ・お会いできただけでも光栄なのに、おみやげとして新刊の『ロボダッチ』3巻をくださいました。小沢さとる先生が原作、久松先生が漫画という豪華コラボです。このコミックス、2巻までは小沢さとる先生の単独名義でしたが、3巻はお二人の巨匠の名前がクレジットされています。
 子どものころ大人気だったロボダッチのプラモデル。私も買ってもらって作っていました。懐かしくて胸が熱くなります。
 とても気さくでやさしい先生でした。そのお人柄に癒されました♪ 久松先生、貴重で楽しい時間をありがとうございました。

東京、マンガをめぐる旅(8)】12月15日(火)

貸本劇画、少年マンガエロマンガ、歴史マンガなど幅広いジャンルの作品を膨大に残された横山まさみち先生のプロダクションを訪ねました。(とはいえ、久松先生は横山プロダクションを仕事場にされているので、前回の【東京、マンガをめぐる旅(7)】と同じ場所での出来事です・笑)
 
 ・玄関に表札が。こういうロゴを見るとワクワクします。


 
 
 ・応接室に、横山まさみち先生の原画や記念の品などが数多く展示されていました。


 横山先生の息子さん(横山プロマネージャーの晃彦さん)から先生のエピソードをうかがいました。マンガは横山まさみち作品しか読ませてもらえなかったとか。でもなぜか手塚先生の『0マン』だけは買ってもらえたのだそうです(^^)


 横山先生の代表作のひとつが『やる気まんまん』(原作:牛次郎)です。この作品に登場するオットセイがとくに有名でしょう。
 
 
 ・そのオットセイの被り物と一緒に写真を撮ってもらいました(笑) この被り物、杉作J太郎監督による実写映画の撮影で使われた現物だそうです。ほんとうは頭に被るべきものですが、傷みが進んでいて被るとさらに損傷するおそれがあるので、手で持たせていただきました。
 晃彦さん、たいへんお世話になりました。ありがとうございます。また遊んでください♪


 年末に立て続けにアップした【東京、マンガをめぐる旅】は以上で終わりですが、時をさかのぼって、真夏のある出来事もレポートしておこうと思います。
 今年8月1日(土)から3日(月)にかけて、手塚治虫先生のご長女・手塚るみ子さんが出張で名古屋に滞在されました。そして、その3日間とも、るみ子さんと飲食や観光をご一緒させていただいたのです。
 自分の地元である愛知県で、2人の藤子先生にとって神様のような存在であった手塚治虫先生の娘さんと3日間も遊んでもらえるなんて、「これってほんとうに現実かしら」と頬をつねりたくなるほどでした。 るみ子さんは『ブラック・ジャック』のピノコのモデル、と言われるように、手塚マンガに登場するいろいろな美少女キャラクターに似ていますし、お顔から手塚先生の面影が感じられます。それを抜きにしてもとても魅力的な人物なので、いろいろな意味でご一緒させていただけたことがとても嬉しいのです。
 そんな3日間の出来事を簡単にまとめてみます。

【手塚るみ子さんin名古屋(初日)】8月1日(土)

 手塚るみ子さんは翌日のトークショーのため名古屋へ前乗りされました。夜に待ち合わせをして、「ごちそう家満天」という居酒屋で夕食会を開催しました♪


 ・生中でカンパーイ!


 
 ・『田中圭一最低漫画全集 神罰』の帯を広げたるみ子さん。この帯の文言をるみ子さんが書いているのです。「訴えます!!」「ライオンキングは許せても、田中圭一は許せません!!」


 
 ・手塚先生がご自分の家庭をモデルに描いた自伝的育児マンガ『マコとルミとチイ』。「マコ」「ルミ」「チイ」のうち「ルミ」のモデルが当然ながらるみ子さんです。ご無理を言って単行本に「ルミ」と書いていただきました(^^) マニアックなお願いで恐縮でした。


 
 ・食事会の終わりごろになって、みんなで記念撮影!


 るみ子さんは翌日にトークショーを控えているため、あまりお酒を飲まず、時間もほどほどに切り上げました。

【手塚るみ子さんin名古屋(2日め)】8月2日(日)

 松坂屋名古屋店で7月29日から8月3日にかけて「手塚治虫ガールズ&ラブリー 版画展」が開催されました。るみ子さんはこの版画展のギャラリートークのために名古屋へいらっしゃったのです。会場に展示されている版画およそ100点のうち、るみ子さんがセレクトしたガールズ&ラブリーな作品を解説されました。

 
 
 
 
 ・トーク中のるみ子さん♪(撮影可能タイムに撮りました) 
 手塚家のインコのお話が特に心に残りました。手塚家で飼っていたインコが交配によって増えてしまった。そのなかに体の不自由なインコがいた。手塚治虫はそのインコを特別扱いせず、ほかのインコと同等に扱った。動くのが困難だったり、ほかのインコからいじめられたりしても、なんとか自力で生きようとするインコの姿を見て、るみ子さんは「どんな状況でも“生きている”ということは掛け替えのないものなんだ、と生命の大切さを学んだ」と語られました。合わせて「生きることの厳しさや理不尽さも学んだ」とのこと。
 トーク終了後、るみ子さんは版画を購入するお客さんや、熱烈なベテラン手塚ファンの方々に囲まれて大忙し。何も手伝えないわれわれはいったんるみ子さんと別れ、その後夕方になって打ち上げの飲み会を開きました。

 
 ・山ちゃん女子大店で飲みました♪

 
 
 ・カンパーイ!


 
 ・お話し中のるみ子さん。


手塚治虫」というと、一般的にはどうしても『鉄腕アトム』や『ブラック・ジャック』といった代表作の名が挙がりますが、るみ子さんは『日本発狂』や『やけっぱちのマリア』に思い入れをお持ちで、こうした少しマイナーな作品の映像化を望んでいると熱く語られました。私も含め出席者の何人かも『日本発狂』が好きだったので『日本発狂』トークで盛り上がったりました。


 
 ・高須クリニックの高須力弥さん。 力弥さんのお父様は、CMなどで有名な高須克弥院長です。力弥さんからお父様のエピソードを聞くたびに、そのとんでもない生き方・考え方に一同驚愕でした。


 別の居酒屋へ移動して2次会もおこないました♪ ほどよい加減に酔いのまわったるみ子さんは、熱烈に「手塚治虫」への思いを披露してくださいました。刺激的な時間でした。

【手塚るみ子さんin名古屋(3日め)】8月3日(月)

 朝、るみ子さんが宿泊されているホテルへ迎えに行き、名鉄電車で犬山へ移動しました。この日は犬山観光をしたのです。
 るみ子さんが「大人の遠足」と呼んだこの日の犬山観光は、主にK氏のナビゲーションで動きました。明治村の案内は特に頼もしかったです。


 
 ・国宝・犬山城に到着!


 
 
 
 ・るみ子さんは結構なお城好きでして、細かいところまで熱心にご覧になっていました。このお城には●●はないんですか?など城マニア的な発言も。


 
 
 
 ・天守の最上階からの眺望は絶景です。


 
 ・犬山城の階段は昔のままなのでとても急!

 
 犬山城から明治村へ移動する途中、るみ子さんが喫茶店へ行きたいとおっしゃったので、どうせなら名古屋っぽく…ということでコメダ珈琲店に立ち寄りました(今では全国各地にコメダ珈琲店がありますが・笑)。猛暑のため参加者はすでに汗をかきまくっているし、このままだと暑さにやられそうだったので、ここで休憩できたのは皆にとってよかったと思います。

 
 ・るみ子さんはスイカのかき氷をご注文!


 そうして、いよいよ明治村に到着です。
 
 
 ・明治村は、明治時代の建築物をたくさん移築・保管して展示している、テーマパークのような広大な博物館です。


 明治村に入場して、まずSLに乗車しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ・車内で記念撮影♪


 SLの終点で降りて、京都市電に乗り替え。
 
 
 
 
 ・SLも京都市電も、車両はレプリカではなく本物を使っています。


 
 ・明治村はよく映画やテレビドラマのロケ地になっています。近ごろでは『ごちそうさん』『花子とアン』といったNHK連続テレビ小説のロケに使われました。


 
 ・北里研究所本館・医学館。『花子のアン』に出てきた修和女学校の外観は、この建物です。



 ・レンガ通り。『ごちそうさん』のロケ地です。


 
 
 ・札幌電話交換局(重要文化財


 
 ・東山梨郡役所(重要文化財


 
 ・三重県庁舎


 
 
 ・森鴎外夏目漱石住宅


 
 ・吾輩は猫である森鴎外夏目漱石住宅のひと部屋です)


 
 
 
 
 
 ・明治村の締めくくりは、帝国ホテル中央玄関♪ 明治村で見た建築物のなかでも、るみ子さんのテンションが最も上がったスポットです。建物内に喫茶店があって、そこで休憩して明治村から出ました。
 もうとにかく暑くて暑くてたいへんでしたが、それも含めて思い出深い犬山の旅になりました。


 るみ子さんは、名古屋駅から新幹線で帰られました。JR名古屋駅構内でお別れです。
 るみ子さん、ご一緒にみなさん、暑(熱)くて濃くて楽しくて、まさに夢のような時間を共にできて、すばらしい思い出になりました。 ほんとうにお疲れ様でした! そして、ありがとうございました!!