『サル』第4集発売


ビッグコミックス『サル』第4集が先月29日に発売された。発売当日に普段利用している書店へ行ってみたが見あたらず、翌30日も探しあてることができず、31日になってようやく発見できた。


『サル』の最新ストーリーは、掲載誌の「ビッグコミック増刊号」を買って追いかけているのだが、なにぶん2ヶ月に1度というゆっくりとした連載ペースなので、本作のような次回へ連続していく勝負モノを楽しむには少々苦しい面がある。これが週刊や隔週刊ペースだったなら、次回はいったいどうなるんだろう、と今以上に盛り上がった気持ちで読んでいけるはずなのだ。
 と、そんなことを言っても、今年70歳を迎えられた藤子不二雄A先生に週刊誌連載を要求するのは無謀で酷な話である。むしろ、70歳になっても連載マンガを描いてくださっている藤子A先生に感謝せねばなるまい。


 そういう事情から、『サル』は、掲載誌で追いかけるよりも単行本でまとめて読んだ方が、物語の醍醐味をしっかりと味わえる。今回第4集が出たところなので、第1集から4集までまとめて読破するのが、本作を楽しむのに最良の読書法だと思うのだ。読み始めて一旦ストーリーの流れに乗ってしまえば、あとは奔流に巻き込まれたように勢いづいて読んでいけるのが、この『サル』という作品なのである。


 しかし、そうした読書の流れが一時的に滞ることもあって、それは第2集から3集に移ったときに感じられる。2集の末尾と3集の冒頭のあいだで、ストーリーの連続性が少々断絶しているのである。
 なぜそんなことになるのかと言えば、2集末尾と3集冒頭の話が発表された時期に1年以上の開きがあり、しかも掲載誌が「ビッグコミック」本誌から増刊号へ移動しているからだ。具体的には、2集末尾の「果てしなき挑戦!!」が「ビッグコミック」2000年4月10日号に載って、そこでひとたび『サル』の連載は休止、3集冒頭の「タイガーを追って」が「ビッグコミック」2001年6月17日増刊号に掲載されることで、再び連載がスタートしたのである。


 今回発売された第4集には『プロゴルファー猿』に登場したあの人物が、重要な役割で物語にかかわってくる。その人物の登場シーンが、『サル』の連載中で私が最大の驚きと喜びを感じた瞬間かもしれない。