私の手元にまだ最終巻が届いていないのでやや実感に欠けるが*1、2002年6月から刊行の始まった「藤子不二雄Aランド」(ブッキング)が、本日12日発売の『新編集 魔太郎がくる!!』14巻、『新プロゴルファー猿』9巻をもって、全149巻の完結となった*2。
かつて中央公論社から刊行された「藤子不二雄ランド」全301巻の中から、藤子不二雄A先生の作品のみを復刊したこのシリーズも、いよいよゴールにたどりついたわけだ。およそ3年の歳月を要した計算になる。
こうした長期にわたり刊行される全集は、途中で何らかの問題が起こり頓挫してしまうことがままあり、「藤子不二雄Aランド」に関してもそれを危惧する声が聞かれたが、幸い一度も滞ることなく刊行されつづけ、ついに全巻完結にこぎつけたのである。この大きな企画を実現させ、あまつさえ最終巻まで完結させた「復刊ドットコム」というサイトと「ブッキング」という出版社の労をねぎらい、感謝の念を捧げたい。
藤子不二雄A先生の全集がリアルタイムで刊行されていることは、私のとってたいへんな重大事であり、本来ならば、毎月「藤子不二雄Aランド」が届くたびに当ブログでとりあげるべきだったが、結局、ほとんど言及できないまま時がすぎてしまった。
私は、藤子ファンのための情報紙「月刊ぽけっと」で、「Aランドなんでも商会」という、その月に発売される「藤子不二雄Aランド」のレビュー・コーナーを担当していて*3、そこで毎月毎月「藤子不二雄Aランド」について何かしら書いていたため、それだけで自分なりに満足してしまっていたようだ。
その「Aランドなんでも商会」の連載も、「藤子不二雄Aランド」完結とともに終了するので、今後、そこで私が書いた記事などをリライトしながら、当ブログにて「藤子不二雄Aランド」で読める各作品に言及してみたいと思っている。
「藤子不二雄Aランド」が現行商品として出回っている今は、藤子A作品を手軽に数多く読める絶好のチャンスである。
刊行当初はコンビニでも見かけた「藤子不二雄Aランド」も、巻が進むにつれ、コンビニに置かれなくなり、書店に並ぶ数も減少してきた印象があるが、「復刊ドットコム」のサイトで全巻セット販売もバラ売りも受け付けているので、今のところまだ手に入れやすい状況だ。
「藤子不二雄Aランド」の刊行が決まるまでには、多くの藤子ファンや関係者の努力があった。そのあたりの経緯は、TOJHOさんの「MISTTIMES.comBlog」で整理されているので、ぜひともご参照いただきたい。一人一人のファンの熱い思いが結集し大きなうねりとなったことで実現したのが、この「藤子不二雄Aランド」なのである。
●MISTTIMES.com Blog:「藤子不二雄Aランド全149巻ついに完結」
http://misttimes.cocolog-nifty.com/blog/2005/07/a149_f16c.html
「復刊ドットコム」のブログによると、「藤子不二雄Aランド」全巻予約者に贈られる完結時特典は、「刊行時にご案内した『一日だけの侍』に加え、全部で72頁に渡る、ほとんどの方がご覧になったことのないであろう五つの作品を、ハードカバー本に仕上げ」た冊子ということである。いったいどんな作品が収録されるのか、今からわくわくする。
●復刊ドットコム・ブログ:「藤子不二雄Aランド完結!」
http://blog.book-ing.co.jp/message/2005/07/post_b496.html