「小学五年生」「小学六年生」休刊

 26日、小学館が学年別学習雑誌の「小学五年生」「小学六年生」の休刊を発表しました。「小学六年生」は年末発売の2+3月合併号、「小学五年生」は来年2月発売の3月号をもって休刊となるようです。
藤子・F・不二雄大全集」の『ドラえもん』において、「小学一年生」から「小学六年生」で発表された話を世代ごとに順番に収録していく「世代別学年繰り上がり方式」が採用され、学年誌というものの存在をあらためて意識するようになっているこの時期に「小学五年生」「六年生」休刊のニュースに触れるのは何とも寂しいものです。
 学年別学習誌は小学館の代名詞のような雑誌であり、今回のニュースでも、小学館が創業した1922年に創刊され、創業以来の基幹事業だった、と報じられています。そんな重要な雑誌の一角を休刊するというのは、小学館にとって苦渋の決断だったと思います。


 小学館の学年別学習雑誌は、藤子ファン的に見れば、藤子マンガが数多く発表された媒体として思い入れが深く、その一角が休刊してしまうことの喪失感は小さくありません。
 思えば、私が藤子マンガと出会ったのは、小学館の学習雑誌の幼年版である「よいこ」や「幼稚園」においてでした。そこに連載されていた『(新)オバケのQ太郎』『ジャングル黒べえ』『モッコロくん』などを読んで藤子ワールドにいざなわれていったのです。小学生になってからも、もちろん「小学●年生」を愛読していました。高校生のころなどは、藤子マンガが連載されているという理由で「一年生」から「六年生」までの6冊を毎月購入する、なんてことをやっていました^^


 そんな小学館の学習雑誌が、全体の一部とはいえ休刊してしまうことになるとは……。小学館という会社が続く限り「一年生」から「六年生」はずっと続くものと信じ込んでいただけに、驚きと残念な気持ちが大きいです。現在これらの雑誌を購読しているわけではないので売上にはまったく貢献できていませんし、内容がどうなっているかも具体的には知らないのですが、それでも今回のニュースには少なからぬ衝撃を受けました。


 最後に、今回休刊が報じられた「小学五年生」「小学六年生」で発表された藤子マンガのタイトルをざっと挙げながら、思いを馳せたいと思います。(ほかにもありそうですが、今わかる作品名だけを列挙してみます)


・合作
オバケのQ太郎


・F作品
パーマン』『(新)オバケのQ太郎』『ドラえもん』『ジャングル黒べえ』『みきおとミキオ
『なくな!ゆうれい』『ボクラ共和国』


・A作品
『怪物くん』『忍者ハットリくん


 少子化と長期不況で子供向けの雑誌が低迷している中、小学館は26日、学習雑誌「小学五年生」と「小学六年生」を休刊すると発表した。「六年生」は年末に発売の2・3月合併号、「五年生」は来年2月発売の3月号が最終号になる。
 両誌は、小学館が創業した1922年に創刊された。学年別学習雑誌の先駆けで、同社の「創業以来の基幹事業」という。「ドラえもん」など人気まんがも掲載され、73年に「五年生」が約63万部、「六年生」が約46万部まで伸びたが、最近は6万〜7万部程度だった。
 スポーツ選手や作家も取り上げ、性教育に踏み込むなど改革を続けたが、小学館は「小学校高学年は趣味の多角化が進み、男女の性差が顕著で、情報も細分化している。学習、生活など幅広く網羅する編集方針が時代の変化に合致しなくなっていた」と説明する。
 不調について出版科学研究所は、「多くの読者をひきつける人気キャラクター不在が大きい」と分析している。
 小学館は09年2月期決算で売上高が前年比90.2%の1275億4100万円で、経常損失は63億7千万円となっていた。「小学一年生」から「小学四年生」までの4誌も部数が減ってきており、「内容の見直しと改革を進める」という。また、少女コミック誌「ChuChu」(ちゅちゅ)も、年末発売の2月号で休刊する。来春創刊予定の学習まんが雑誌「GAKUMANPLUS」は、欧米などでのまんが人気を狙ってか、海外展開も視野に入れているという。
 一方、学研教育出版発行の「学習」と「科学」は、79年5月号の総計620万部をピークに、現在の部数は「10分の1以下」(同社)という。「科学」は月刊を続けているが、「学習」は04年に年3回の学期刊になり、現在は春夏秋冬の季刊となっている。


asahi.com」2009年10月26日
http://www.asahi.com/culture/update/1026/TKY200910260317.html