『怪物くん』実写ドラマ4月からスタート!主演は「嵐」の大野智くん

週刊女性」2月23日号ですっぱ抜かれた“嵐の大野智くん主演で『怪物くん』実写ドラマ化”という話は本当だったようです。(みつおさん、情報ありがとうございます)
 日本テレビのサイトに公式ページができましたし、スポーツ新聞各紙をはじめいくつかのメディアでこのニュースが報じられています。「週刊女性」で情報が出てしまったため、急遽正式発表となったのでしょうか。

■2010年4月 土曜よる9時スタート
■出演者 大野智
■スタッフ
 原作 藤子不二雄A
 脚本 西田征史
 監督 中島悟ほか


◆公式ページ
http://www.ntv.co.jp/kaibutsukun/

 いま旬の「嵐」の大野くんが主演するとあって、大きなニュースとなっていますね。この話題をとりあげた主なニュースサイトをざっと集めてみました。


サンケイスポーツ
 http://www.sanspo.com/geino/news/100211/gng1002110509000-n1.htm
・デイリースポーツ
 http://www.daily.co.jp/gossip/article/2010/02/11/0002704038.shtml
スポーツニッポン
 http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2010/02/11/02.html
中日スポーツ
 http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/entertainment/news/CK2010021102000130.html
・スポーツ報知
 http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20100211-OHT1T00040.htm
オリコン
 http://career.oricon.co.jp/news/73276/full/
毎日新聞
 http://mainichi.jp/enta/mantan/anime/news/20100210mog00m200066000c.html
朝日新聞
 http://www.asahi.com/showbiz/nikkan/NIK201002110008.html



 さすが現在大人気の「嵐」のメンバーと往年のヒット作『怪物くん』の合体企画です。多くのメディアで大きくとりあげられています。
 藤子A先生のマンガ作品がジャニーズのタレント主演で実写化されたというのは前例があって、1996年放映の単発ドラマ『シャドウ商会変奇郎』(テレビ朝日)でV6の森田剛くんが、2004年公開の映画『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』でSMAP香取慎吾くんが主演しています。香取くんが演じたハットリくんは、“カットリくん”なんて愛称で呼ばれていました。


 私は、今回のニュースを受けて、『怪物くん』の“実写ドラマ化”という部分には引っかかりをおぼえましたが、“怪物くん”という文字が現在進行形の事象としてこんなにもたくさん躍っているということには好ましい感情を抱きます。
 ニュースを読む限り、制作者は「原作に忠実に」「ストーリーは原作に添いつつ」という意識で実写化するつもりのようで、どこまでそれをやってくれるのか見ものだなと思います。(原作ファンを満足させるレベルに達するのは難しいでしょうが、どういう工夫や努力をしているのか観察するのは楽しそうです。「どこが原作に忠実なんだ!」とツッコミを入れたり、「ああ、これはよくやってるな」と感心したりしながら、軽妙な心持ちでドラマを観られたらいいなと思います)


 記事によると、「怪物くんは手足を伸ばしたり変身したりと特殊な能力を持っているが、ドラマではCGや特殊メークを駆使。笑いあり、感動ありの『怪物たちの“ヒューマン”ファンタジー』を目指す」とのこと。CGの技術や見せ方、あるいはヒューマンファンタジーとしての脚本や演出によっては、思いのほか面白いドラマになるのかもしれません。
 怪物くん役の大野くんは現在、「原作コミックを読んだり、過去のアニメを見ながらイメージを固めている最中。トレードマークのカラフルな帽子と大きな耳をつけて“大野版・怪物くん”のビジュアル作りも始めており、視聴者には「約3カ月、大野智、怪物になります! 皆さまを怪物ランドの世界へお招きしま〜す!」とちゃめっ気たっぷりに呼び掛けている」とのこと。まだ見ぬ大野くん版怪物くんのビジュアルは、なんだかインパクトがありそう^^ 藤子A・怪物くんファン、ジャニーズ・嵐ファンの双方からどういう反応があるのか楽しみなような心配なような(笑)



 私は、こういう実写化作品については、今までの経験上、藤子マンガの設定や世界観を借りた“別もの”としてとらえるようにするのが精神衛生上好ましいと思っていて、今回の『怪物くん』実写ドラマについてもシビアな視線を注がず、なるべくおおらかに受け止めたいと考えています。そもそも『怪物くん』の実写化なんて相当無理がありそうですが、実際に放送が始まってやっぱり無理を感じたとしても、「これは原作と違いすぎる! ひどい!」といったふうに怒る気力は、今の私にはあまりないのです。(そういうふうに怒るのは、原作ファンとして自然な反応の一つだと思いますが、私はそういう怒りをずいぶん前から(完全にではありませんが)心の底に封じ込めています)
 テレビ化・映画化された藤子作品は、藤子先生そのものの作品ではなく、一種の“二次創作”として受け止めています。二次創作を創る側の作家性や個性が入るのは当然であり、むしろ原作に忠実にやってくれればラッキー!というくらいに考えておくと、ストレスがたまりにくいのです。原作をうまく膨らませて傑作に仕上げてくれれば大感謝ですし。
 原作者から正式な権利を得て創られたアニメや映画、代筆マンガなどは“公式的な二次創作”であり、同人誌や個人レベルで描かれたマンガや小説などは“非公式な二次創作”といったふうに私は理解していて、そういう多様な二次創作のなかに、原作に忠実なものもあれば掛け離れたものもあり、原作ファンが観て満足のゆくものもあれば不満なものもある、といった認識でいます。(アニメ『ドラえもん』は、藤子関連の二次創作群のなかでも最高位の王道であり中核的存在なので、「F先生の原作にできるかぎり忠実である」あるいは「F先生のテイストをしっかり再現する」ことが最も望まれる作品だと思いますが、今度の実写版『怪物くん』にはそういうことはあまり求めません。『怪物くん』のアニメ化であれば、もっと期待をかけたいのですが)


 はたして、今度の実写版『怪物くん』が、これまでメディア化されてきた藤子作品の歴史のなかでどういう位置づけ、どういう評価の作品としておさまるのか…。中途半端なところにおさまるくらいなら、世紀の迷作、類まれなる珍作、つきぬけた脱力作になったほうが、いっそのこと愉快痛快かもしれません。もちろん、実写ドラマにしてはよく『怪物くん』の世界を再現していて、原作ファンが観ても普通に楽しめる作品になってくれるのが最善なわけですが、そういう期待をかけると、実際に観てダメだったときに心が痛いので、最初から期待値を下げておきます^^ あらかじめあきらめておこう、という防衛反応です(笑)


 ドラマの内容がどうなるか云々は別として、今この時代に『怪物くん』がテレビ化され注目されること、『怪物くん』ドラマ化に合わせて藤子A先生のメディアへの露出が増えたり関連本が出たりするであろうことを、まずは喜びたいです。
 こうしてメディアやファンのあいだで『怪物くん』という言葉が取りざたされることで、『怪物くん』の原作マンガに関心を持ってくれる人が少しでも増えれば、私にとってはそれこそが『怪物くん』ドラマ化の最大の効用です。


 本音をいえば、『怪物くん』をメディア化するならやはりアニメ化してほしかったのですが、とりあえず、最近藤子A作品メディア化の動きがなかったなか、こういう動きが伝わってきたことに対してはちょっとした興奮をおぼえます。




 昨日の話ですが、“『怪物くん』実写ドラマ化・嵐の大野くんが主演”というニュースの第一報となった「週刊女性」2月23日号を購入してきました。「4月スタート新ドラマ 顔ぶれ&ウラ話」という見開き2ページの記事のラスト近くに、目当ての情報がありました。
 
 ・「週刊女性」2月23日号42ページより
 日本テレビでは4月より『エンタの神様』の枠でジャニーズの「嵐」のバラエティー番組をスタートさせる予定、その直前の時間帯の土曜9時の枠で「嵐」大野智くん主演のドラマが始まる、その大野くん主演のドラマが藤子不二雄A原作の『怪物くん』である、といったことが書かれています。


 また、本日になって、このニュースを報じたスポーツ新聞もいくつか購入してきました。(記事の文章はネットで読めるのですが、私はこういう記事を紙媒体で集めるのが好きなので。怪物くんの絵も載ってますし^^)
 




『怪物くん』の原作マンガを読むなら、藤子不二雄Aランド『新編集 怪物くん』全21巻(ブッキング)でどうぞ!
 http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=41581
 http://www.fukkan.com/fk/CartSearch?search=%E6%80%AA%E7%89%A9%E3%81%8F%E3%82%93&image2.x=14&image2.y=10


 それから、拙著『藤子不二雄Aファンはここにいる Book2 Aマンガ論序説編』(社会評論社)で、『怪物くん』の原作マンガの評論・解説を行なっています。(第一章の「『忍者ハットリくん』と『怪物くん』―藤子A二大メジャーギャグマンガのおかしみと人情味―」において『怪物くん』を論じています)

 ・復刊ドットコム
 http://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=48741
 ・アマゾン
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4784509399/hanshan02-22/ref=nosim
 ・ビーケーワン
 http://www.bk1.jp/product/03193161
 ・セブンネットショッピング
 http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1102831448/subno/1



◆余談
・じつは私は、現在第一線で活躍しているジャニーズのタレントさんのなかでは、大野くんのキャラをとくに気に入っていて、昨年放送されたドラマ『歌のおにいさん』 (テレビ朝日)を毎回観ていました。その意味では、実写版『怪物くん』は、藤子ファンとしての期待値は低いけれど、軽度の大野くんウォッチャーとしては心引かれるものがあります^^


・2月10日(水)、東海地方のローカル番組『そこが知りたい 特捜!板東リサーチ』(CBC)で富山県氷見市がレポートされました。板東英二らのリポーターが氷見市各所をぶらりとするなか、藤子A先生の生家・光禅寺にも訪れ、藤子Aキャラの石像や手塚先生から譲り受けた机などが紹介されました。光禅寺の住職(A先生の甥っ子さん)も登場。
 http://hicbc.com/tv/research/index.htm