F先生の娘さん

 14日(水)放送のNHK教育「こだわり人物伝」にF先生の娘さん3人が出演されたことから、藤子ファン仲間のKさんがネット上某所で“長女の匡美(まさみ)さんはかつて趣味でマンガを描いていて、アニメ雑誌月刊OUT」に彼女の描いた4コママンガが何度か載ったことがある”という話をされました。1980年代初めごろの「OUT」に載っている、とのこと。


 それで思い出したのが、かつて存在した藤子不二雄公認FCの会誌に載っていた、匡美さんの描いたマンガ作品です。父であるF先生をはじめ、ご家族とのエピソードを綴ったコミックエッセイ風の作品でした。1982年に出た会誌に載っていたと思います。
 そのマンガでは、F先生の奥様(匡美さんにとってはお母さん)が「イルカ」のことを「イクラ」と言ってしまったり、F先生のお母様(匡美さんにとってはお祖母さん)が「チャウチャウ」のことを「シャブシャブ」と言い間違えたりするエピソードが描かれています。そのエピソードで思い出すのが『エスパー魔美』。F先生は、そうしたご家族の言い間違いを『エスパー魔美』でネタにしているのです。
 魔美は、「生きがいの巻」でイルカの曲芸を心に思い浮かべながら「イクラの曲芸」と発言していますし、「感動しない名画?の巻」でチャウチャウを見て「シャブシャブ」と言っています。
 以前からファンの間で、魔美のモデルとなった人物として長女の匡美さんの名が挙がることがありました(『エスパー魔美』連載中の魔美と匡美さんの年齢が近かったこと、生まれた月がどうやら同じであること、名前の類似などの理由から)。ですが、匡美さんのマンガを読めば、F先生は藤本家の一人ひとりを魔美のキャラクターに投影していたことがわかります。ご家族のなかでも、長女の匡美さんが魔美のモデルとしての濃度が最も高かったということでしょうか。


 匡美さんは幼いころから絵を描きお話をつくることが大好きで、小学生時代は絵本を描くことに熱中していたそうです。その絵本の登場人物はたいてい動物で、ストーリー的には遍歴テーマが多かったとのこと。南国から日本へ渡ってきたツバメがアメリカ、ヨーロッパ、南極などを巡って巣づくりを試み、最後に日本へ帰ってくる話、空飛ぶフライパンに載って旅する犬の話、長い紐をたどっていって正体を突き止めたら大蛇だった話などを描いていました。
 絵を描くこと、お話をつくることが大好きだったなんて、さすがF先生の娘さんですね。
 匡美さんは高校生くらいまではマンガを描かれていたようですが、大学卒業後は母校に勤務されています。おそらく絵やマンガとは関係のない仕事に就かれたんだと思います。
 大学といえば、F先生の娘さんは3人とも同じS大学へ通われています。ご自宅から通うのが便利だったこともあるのでしょうし、この大学の校風が藤本家に合っていたのかなとも思います。ご長女が通ってみてよかったので妹さんたちに勧めた、ということもあったのかもしれません。




 15日(木)夜に放送された「NEWS ZERO」で藤子不二雄A先生と嵐の大野智くんの対談がありました。
 A先生のお話に対する大野くんのリアクションがよかった。A先生が気持ちよさそうに喋っておられましたから^^
 A先生は、トキワ荘でマンガ家仲間たちと共同生活を送った若かりし頃の自分と、嵐として5人でグループ活動をする大野くんとを重ね合わせる発言をなさって、そこがとても印象的でした。
 話の先の見えない状態でアドリブ的な手法を駆使してマンガを描くA先生に対し、長年の相棒だったF先生はじっくりと考えてコツコツと描くタイプだった、というお話がとりあげられたのもよかった。藤子ファンにはお馴染みの話ですが、一般視聴者には、藤子不二雄の意外な対照性が伝わってなかなか興味深いものだったんじゃないかと思うのです。



 現在発売中の「週刊新潮」4月22日号に「始まる前からコケそうな実写版『怪物くん』誰が見る?」という記事が掲載されていたので購入。記事の趣旨は見出しのとおりです(笑) 
 平均視聴率15パーセントが目標だが一ケタ台は必至と噂されている、というふうに文面が結ばれていますが、はたして実際どうなることでしょう。宣伝番組や宣伝記事を見る限り、原作やアニメの『怪物くん』と比べてどうこうというこだわりを捨てれば、案外娯楽作品として単純に楽しめそうな気がしないでもありません。テレビドラマにしては特殊メイクやCGに力が注がれている感じですし。
 同記事に「小学館コミック営業課によるとトータルで522万部以上を売り上げた」と『怪物くん』のコミックスの売上部数が記されています。小学館が発表した部数なので、この数字はいろいろな『怪物くん』コミックスのなかでも「てんとう虫コミックス全13巻」のものだと思われます。



 ドラマ『怪物くん』は明日(17日)夜9時からスタートです。第1話は時間拡大版。