永井豪ご夫妻お誕生パーティーに参加

 すでに1週間が経過してしまいましたが、12月4日(土)、永井豪先生・淳子夫人お誕生パーティーに出席しました。
 
パーティー会場となったレストラン


 永井豪先生のお姿をナマで拝見するのはこれが生まれて初めて。感動と幸福感で胸がいっぱいです。
 永井豪作品のなかでは、ベタですが『デビルマン』がマイベストです。もちろん、そのほかにも好きな作品はいろいろとあって、『ハレンチ学園』や『マジンガーZ』『キューティーハニー』など映像化されたメジャー作品はもとより、『ススムちゃん大ショック』や『夜に来た鬼』など切れ味鋭い珠玉の短編群もお気に入りです。ギャグ系では『オモライくん』に笑撃を受けました(笑) 子どものころリアルタイムで読んだ『へんちんポコイダー』にも妙な愛着があります^^
 
 
 
 まことに仲がよく息の合ったご夫婦でした。淳子夫人はとても美しい方で、ひと目でファンになっちゃいましたよ^^


 豪先生のお姿を間近で拝見できただけでも大いに満足なのですが、主催の方の粋な計らいで、パーティー参加者が順番に豪先生のテーブルに座ってお話する機会を設けてくださいました。
 そういう企画があることをまったく知らなかったので、何をお話しするか考えてきておらず緊張がぐんと高まったと同時に、信じられないほど嬉しいことだったため、いろいろな意味でバクついた心臓が口から飛び出しそうでした(笑)
 
 至福の時間^^


 私は自分の順番が廻ってくると、先生の作品では特に『デビルマン』が好きです、と伝え、『デビルマン』の雛型となった豪先生の作品『魔王ダンテ』への思い入れを語らせていただきました。「じつは悪魔が●●で…神は●●だった…」という、世界が反転するようなめくるめく展開に衝撃を受けました、と。
 また、『魔王ダンテ』の主要なインスパイア元がダンテの叙事詩神曲』(1321年完成)だったということで、その『神曲』のお話もちょっと聞かせていただきました。豪先生が読まれた『神曲』は、ジュブナイル用にリライトされたバージョンだったのですが、旧仮名づかいだったりして読みにくい本だったとのこと。それでも子ども時代の豪先生は、それをしっかりと読んで感銘を受け、その後の創作活動の源泉の一つとされたのでした。(たしか何かのインタビューとかエッセイで、先生は、ギュスターヴ・ドレが描いた『神曲』の挿絵にも強烈に魅了された、とおっしゃっていたと思います)
 個人的な話ですが、私は大学の卒論でイギリスの詩人・画家のウィリアム・ブレイクをとりあげました。このウィリアム・ブレイクも、豪先生と同じく『神曲』に魅了された芸術家の一人でして、晩年は『神曲』の挿絵をたくさん描いています。豪先生と『神曲』のお話をさせていただいている最中、そんなことも思い出したりしました^^(ちなみに、豪先生はダンテの『神曲』を漫画化した『ダンテ神曲』という作品を描かれています)


 それから、豪先生が参加されている「イージー会」のお話もうかがいました。(ここから、当ブログのテーマである「藤子不二雄」の話にもつながっていきます・笑)
 イージー会とは、藤子不二雄A先生が「これまで長年の間がんばってマンガを描いて働いてきたのだから、これからはみんなで集まってゴルフをやって気楽に楽しもう!」と漫画家仲間に呼びかけて1989年に結成された会です。メンバーは、さいとう・たかを先生、ちばてつや先生、古谷三敏先生、北見けんいち先生、黒鉄ヒロシ先生など漫画界の大御所ばかり。そのなかにあって豪先生は最年少に近いところにいらっしゃいます。つのだじろう先生が会を抜けられたし、もっと年下のメンバーも欲しいということで、いま、『こち亀』の秋本治先生を勧誘中だとか。


 現在連載中の永井豪まんが道『激マン!』の話もちらりとうかがいました。今は『デビルマン』執筆時のエピソードを描かれていますが、このあとどの作品の創作エピソードを描かれるご予定なのか聞かせていただきました。(ネタばらしになるといけないので、ここでは具体的に書きませんが、編集部の意向とご自身の構想が異なっているそうです)

 
 
 パーティーの最後には豪先生がマイクを握ってご挨拶。
 
「師匠である石ノ森章太郎先生のキャリア年数に追い付くのが目標だったのですが、そこに到達することができました」などとお話されました。淳子夫人の挨拶では「豪先生はずっとマンガを描きつづけます」と嬉しい宣言が!


 パーティーの最中と、その後の2次会では、熱烈な永井豪先生ファンの皆様とディープな会話を楽しめました。これほど永井豪作品について肉声で語れたのは初めてです。日本でも有数の永井豪マニア、ダイナミックプロ通がそこに集まっているので、私の知らないことをいろいろとご教授いただきました。
 パーティーの会場に一人で入るときはえらく緊張していたんですが、永井豪ファンの皆様の気さくさと明るさと心配りのおかげさまで、すぐに打ち解けることができました。


 こんな素晴らしい集まりに参加させてただきまして、ほんとうにありがとうございました。
 パーティーを運営された皆様、パーティーに参加された皆様、そして、永井豪先生ご夫妻に深く深く感謝いたします。



 
 8日(水)ごろ、『激マン!』第2巻(日本文芸社)が発売されました!
デビルマンの章」その9からその17までを収録。主人公・ながい激が、過酷な思いをしながらもマンガを量産しつづける理由が語られます!!