萩尾望都原画展

 名古屋三越にて12月22日(水)から来年1月3日(月)まで開催中の「デビュー40周年記念 萩尾望都原画展」へ行ってきました。  
 
 http://www.hagiomoto-gengaten.com/


 私は女性のマンガ家では萩尾望都先生が最も好き……。少なくとも、最も敬愛する女性マンガ家の一人であるのは確実です。


“原画展”と銘打ってあるだけあって、展示物の9割以上は萩尾先生の直筆原画でした。よけいな装飾や仕掛けなどなく、純粋に原画を味わえる素敵な展覧会でした。
 デビュー作の『ルルとミミ』(1969年)の原画から始まって、おおよそ年代順に主要作品の原画が展示されていました。私は、『11人いる!』『百億の昼と千億の夜』『スター・レッド』『残酷な神が支配する』などの原画を、特に熱心に鑑賞しました。萩尾先生の原画の美しさと繊細さと力強さに感嘆です。


 おおむね年代順の展示だったのですが、原画展示のラストは、萩尾作品では初期のものにあたる『ポーの一族』でした。この作品で締めるのは納得です。やはり萩尾マンガを象徴する作品は『ポーの一族』であるという、萩尾先生や展覧会企画者の判断なのでしょう。美麗な原画たちにうっとりでした。


 一話まるごと原画が展示されていたのは、私の記憶では『半神』と『柳の木』でした(他にもあったかもしれませんが)。
 珠玉の短編『半神』を、原画の状態で最初から最後まで読めたのは、思いがけず贅沢な体験でした。何度読み返しても完全な作品ですね。これを原画で全ページ読めただけでも、この展覧会に行ってよかった、と心から思えます。 『半神』の原画の近くには、『半神』に寄せる作品として、恋月姫という人形作家が作った結合双子人形が飾ってありました。


 グッズ売場では図録だけ買って帰ろうと思っていたのですが、誘惑に負けてポストカードやクリアホルダーを買ってしまいました(笑) 萩尾作品のグッズって珍しいのでつい…
    
 


 ここで藤子関連の話と強引に結びつけますと、藤子・F・不二雄先生の娘さんは萩尾望都のファンとのことです。あるインタビューでF先生は「ウチの娘は萩尾さんのファンで全集も何冊か持っているので、私も“ポーの一族”なんか読みました」とおっしゃっています。
エスパー魔美』の「天才少女・魔美」で、魔美が「「ポーの一族」みたいな大傑作をかくからねー」と言う場面がありますが、このセリフは、娘さんが萩尾望都ファンであるという事実が反映しているものと思われます。



 当ブログは、この記事が今年最後のエントリになると思います。
 読者の皆さま、今年一年どうもありがとうございました!
 皆さまに拙文を読んでいただけること、皆さまといっしょに藤子マンガを愛していられることに、感謝と感動をおぼえております。
 よいお年をお迎えください。