『小池さん!大集合』

 復刊ドットコムさんより藤子不二雄A先生画業60周年記念出版『小池さん!大集合』をご恵贈いただきました。
 
 多くの藤子マンガでバイプレーヤーをつとめる小池さん。基本的には、あぐらをかいてひたすらラーメンをすすっているキャラクターですが、じつは藤子マンガの中でさまざまな役をこなす名優でもあるのです。本書は、そんな小池さんを主人公に抜擢した藤子A作品を集めたユニークな単行本。私は、この本に資料提供などで協力させていただきました。22日ごろから発売開始されていると思われます(24日発売という説もあります)。


 収録内容は以下のとおり。
・『小池さんの奇妙な生活』(「COM」1968年3月号)
・『オレ係長補佐』(全16話、「週刊アサヒ芸能」1975年11月27日号〜76年3月18日号)
・『赤紙きたる』(「ビッグコミック」1971年10月10日号)
・『ある暑中休暇』(「サンデー毎日」1971年8月8日号)
・『ゲゲゲのゲー』(全3話、「問題小説」1975年5月号〜7月号)
・『添乗さん』(全55話、「サンデー毎日」1973年1月7日〜74年1月20日
 A先生のあとがき「小池さんのできるまで」も読めます。


 このうち、『オレ係長補佐』(全16話)、『ある暑中休暇』、『ゲゲゲのゲー』(全3話)、『添乗さん』(全55話のうちの1話)が単行本初収録です。これら初収録の作品は、サラリーマン向けのショート・ショートです。一般的に、線が太く画面が黒っぽいという印象が強い藤子A作品ですが、これらの作品は、細めの線、白っぽい画面でライトに執筆されています。『添乗さん』の描線はとくにシャープ。
『オレ係長補佐』は、会社でも家庭でも冴えなくて肩身が狭そうな主人公・補佐さん(この作品での小池さんは補佐さんという名前)から漂うペーソスとユーモアが愉快。連載第1話からして、かなり気の毒すぎる…(笑)
『ゲゲゲのゲー』は、サラリーマンのコイケさんがとにかくお酒に酔って嘔吐ばかりしている作品です(笑)第3話の吐きっぷりがとくに壮絶。こんな奇妙なマンガが3回とはいえ「連載」されたということ自体がミラクルに思えます(笑)


 19日新宿ロフトプラスワンのイベントで作者の藤子不二雄A先生、小池さんのモデル鈴木伸一先生とお会いしたばかりですし、そのトークイベントで小池さんの話をさせていただいたこともあって、私の中で小池さんが極めてホットな存在になっています。そのタイミングで『小池さん!大集合』が刊行されて、ますます私の中の小池さん熱が高まりそうです。
 イベントの控室でA先生は、鈴木先生にプレゼントするために持ってこられた『小池さん!大集合』を私に見せてくださって、二人してこの本を開いて中身を眺めるというありがたい体験をさせていただきました。その意味でも、この本は思い出の一冊になりそうです。
 
 最後に、鈴木伸一先生と小池さんのツーショット!(前のエントリでも載せた写真ですが、反響があったので再び^^)