ロアルド・ダール『キス・キス』新訳版

 1年ほど前に発売されたハヤカワ文庫『キス・キス』新訳版(ロアルド・ダール著、田口俊樹訳)をようやく購入しました。藤子不二雄A先生が本書の帯に賛辞を寄せておられます。
 
 A先生は、『ひっとらぁ伯父サン』『マグリットの石』など「ブラックユーモア短編」と呼ばれる数々の短編マンガや、『笑ゥせぇるすまん』『黒ベエ』などブラックユーモア系の連載マンガをいろいろと描いています。それらの作品は、ロアルド・ダールやスタンリイ・エリンらの「奇妙な味」と呼ばれる短編小説群を夢中になって読んだA先生が、自分もこうした奇妙な味のマンガを描いてみたいと思ったことから生まれました。

 私の場合は、A先生のマンガで奇妙な味の物語やブラックユーモア短編の魅力を知って、その後A先生に影響を与えたという理由でロアルド・ダールやスタンリイ・エリンの小説に手を出しました。
 今回購入した『キス・キス』新訳版には、全部で11編の短編小説が収録されています。たとえば、1番目に収録された『女主人』を読むと、『魔太郎がくる!!』の「魔太郎ひとり旅(その2)」と共通のアイデアが見られます。




※13日、大山のぶ代さんが認知症を患っていることが、夫の砂川啓介さんから公表されました。
 いま以上に症状が進まないこと、少しでも改善することを祈らずにはいられません。
 声優のお仕事を続ける意志をお持ちとのことなので、その意志がかなえられることも願います。
 佐川さんの心労や心配はさぞかし大きいことと思います。介護にあたっては綺麗事では片づけられないことも多いかと思いますが、ご夫婦で乗り越えていっていただきたいです。
 介護の問題は誰にとっても他人事ではない時代に入っているように感じます。自分が介護する側・される側になるかもしれない、ということをあらためて胸に刻んでおきたいです。