『新古書ファイター真吾 』

 ゴールデンウィーク中のことです。皓星社さまより大石トロンボさんの新著『新古書ファイター真吾 』(5/9発売)をご恵贈いただきました。ありがとうございます。

 新古書店「ブックエフ」の均一棚でお目当ての本を探すことに情熱を注ぐ孤高の古本戦士・真吾! 彼の奮闘・葛藤・悲喜こもごも・独自の価値観を描いた、他者を傷つけないバトル漫画です。

 

 この漫画は、新古書店に通った経験のある人の多くが共感したり思いあたる節があったりするであろうエピソードが満載です。真吾が発する「見つけたら買え 迷ったら買え」という古本教訓は、この作品世界においては他のどんな人生訓よりも深く強く鋭く心に響くことでしょう。増え続ける積み本への対処も重大な人生問題ですね。私にとっても他人事じゃありません😂

 

 本書は『新古書ファイター真吾』以外の大石さんによる漫画作品も収録しています。その中のひとつに、電子書籍に対する紙の本の美点・魅力を延々と列挙する作品があり、私は「そうそう!」「なるほど、それもあるよな!」などと(この作品の結末も含めて)うなずくばかりでした。

 

 そして、上記の目次にあるように、新古書店や古本をめぐるエッセイも読むことができます。

 「青春は新古書店と共に」というエッセイで、大石さんの古本初体験が、100円で買った藤子不二雄ランド版『21エモン』(カバー無し)だったことが綴られています。

 「藤子不二雄と幻の新古書店」というエッセイも、タイトルのとおり藤子不二雄の話題が語られており、こうしたエッセイから大石さんの藤子不二雄愛が伝わってきます。

 

 新古書店に精魂を傾け、藤子不二雄を愛する著者による熱く楽しいこの一冊が、いよいよ本日発売となりました。