終戦の日を迎えて

 太平洋戦争中、全国の動物園でトラ、ライオン、ヒョウ、クマ、ゾウなど130頭以上の動物が処分され、時局捨身動物とされました。戦時猛獣処分です。

 

 終戦の日を迎えた今日、戦時猛獣処分で殺されることになったゾウを題材とした、子ども向けのお話を読んですごしています。
 私にとって『ドラえもん』の「ぞうとおじさん」は、この日に読み返すことが多い作品です。

 

 そして、「ぞうとおじさん」を読み返すたびに思い出すのが、2010年夏、名古屋で聴いた大山のぶ代さんの講演会。現実の戦時猛獣処分とその時の逸話を童話化した『かわいそうなぞう』のなかで殺されてしまったゾウを「ぞうとおじさん」で救ってくれた藤子・F・不二雄先生を称賛されていたのです。「心をもって象のことを考えたやさしいおじさん」という言い方で。

 

 藤子F先生のご長女によると、先生は『かわいそうなぞう』に限らず子ども向けの物語が悲劇で終わることをあまり好みませんでした。『フランダースの犬』の最終回で娘さんたちは感動して大泣きしたのですが、藤子F先生は「正直でやさしく、働き者が報われないのはかわいそうすぎる」と真剣に語っていたそうです。


 今回紹介した逸話は当ブログで何度も語ったことですが、何度も繰り返し語っておきたいお話なのです。