朝日新聞に藤子A先生のメッセージ

朝日新聞」3月20日付朝刊に、「未来を生きる君へ 藤子不二雄Aさんの伝言」というエッセイが掲載されている。藤子A先生はそこで、若者に向けて〝1人で自分だけの世界にこもらず、楽しいともだちの輪を広げてほしい〟と訴え、〝人との出会いは、その度にドラマだ!〟というフレーズでこの文を締め括っている。


「QuickJapan」Vol.59(太田出版/2005年3月31日第1刷発行)の特集は「マンガ最前線」。私が現役マンガ家のなかで注目している浦沢直樹古谷実が論じられているし、何よりも、岩明均のインタビューが載っているので買ってしまった。
 特集の最後に「最前線マンガ40」というコーナーがあって、現在読まれるべき連載中の必読マンガ40作が選ばれている。その40作のうちのひとつに藤子不二雄A先生の『愛…しりそめし頃に…』が含まれており、「いつまでも描き続けることで、決して完成させず、神秘性を高めてゆく、一大事業。不自然に禍々しいトーンとベタを駆使して。トキワ荘は日本のサグラダファミリアだ」などと評されている。
 現在71歳の藤子不二雄A先生が連載中のマンガが、〝第一線でマンガの多様性と可能性を更新し続けている作品〟〝最前線のマンガ〟として評価されているのだから、これは驚異的なことであるし、ファンにとっては本当に幸福なことである。