藤子スタジオの正式なアシスタント第1号と言われる吉田忠先生の描いた『藤子不二雄物語 ハムサラダくん』の復刊が決定した模様だ。
『ハムサラダくん』は、「コロコロコミック」1977年5月15日（創刊号）から1980年7月号にかけて連載された『まんが道』風味のマンガである。藤子不二雄A先生の『まんが道』をベースにしながら、吉田先生の独創がたっぷりと加わって、一種異様なハイテンション熱血マンガに仕上がっている。
単行本は、てんとう虫コミックスで2巻まで出ていたが、未収録話を残したまま絶版になってしまった。
その『ハムサラダくん』が、未収録部分も含めた“完全版”として上下巻で復刊するというのだから驚きだ。出版社はマガジンファイブ、上巻は1月下旬ごろ発売、税込価格1365円で、オビにはA先生の推薦文もあるという。
本作の主人公は漫画家を目指す少年、ハムくんとサラダくん。ハムくんのモデルがF先生で、サラダくんがA先生である。F先生は肉好きなのでハムくん、A先生は野菜好きなのでサラダくん、というのがネーミングの由来らしい。
この二人の主人公は、『まんが道』の才野茂と満賀道雄を吉田忠タッチで描くとこうなる！という顔をしている。
私が小学生のころリアルタイムで連載を読んだ作品なので、復刊の報を知って、熱気を帯びた懐かしさが胸の奥で疼きだしている。
