「藤子不二雄Aファンはここにいる 座談会編」の反応

 

 拙著『藤子不二雄Aファンはここにいる Book1 座談会編』が発売されてから、およそ2ヶ月がたちました。
 本書の感想をブログやSNSの日記、当ブログのコメント欄などで書いてくださった方が何名もいらっしゃって、非常にありがたく感じております。具体的な反応があるというのは本当にうれしいことです。
 そこで今日は、感謝の意もこめて、『藤子不二雄Aファンはここにいる Book1 座談会編』の感想をとくに熱心に書いてくださったブログの中から、私が感銘を受けたり心の高揚を感じたりした文面を抜粋して、ここに転載させていただこうと思います。

■「私の中の見えない炎」ayame21さん


 この手の本を読む愉しみは、自分の知らない作品世界を教えてもらえるということと合わせて、同好の士を見つける嬉しさである。
 藤子A作品といえば、黒を基調としたイラストのタッチやホラー趣味、表現上の実験などの特色があるけれども、個人的にまず思うのが“いやな奴”の存在。この点は藤子F作品でも『ドラえもん』のジャイアンスネ夫の悪役ぶりなどが挙げられるが、いやな奴の悪質さではA先生も負けていない。『まんが道』や『少年時代』、『鎖のついた武器』での多種多様ないじめ役など、とにかく憎々しく、先生はどれだけいやな奴のモデルパターンを蓄積しているんだろうと思うくらいだが、
「ああいうイヤな奴を描くのがうまいですねえ。ああいう奴に個人的な恨みでもあるかのようです(笑)」
「嫌な人間に遭遇したときの心理描写が非常にリアルで(…)『イヤだ』と思う部分が癖になってしまう中毒性があります」
というコメントなどに、自分が漠然と思っていたことを言語化してもらえた快感がある。
「あのころはネットもないし携帯電話もない。(…)手書きの手紙で頻繁にやりとりしていたのです。便箋に綴った文字で藤子マンガへの純愛を誓い合っていましたね(笑)」という著者たちだけに(なんとなくうらやましくなる)、評言はいちいち的を得ている。


(全文はこちらで↓)
 http://blogs.yahoo.co.jp/ayamekareihikagami/archive/2009/10/28

■「KAGEブログ・光ある所に影がある」KAGEさん


少し長目のプロローグの後から、作品ごと、あるいはテーマごとに語っていってるのですが、やはり『まんが道』は皆さん特別な思い入れがある様です。
まんが道』について語っている章では共感する発言が多く、中でもこの作品で手塚治虫の偉大さを知ったという内容は読みながらうなづいたところです。
私自身は少年キング連載時に『まんが道』に出会っているのですが、当時の手塚先生は「色々いる一人の漫画家」として読んでいたので「藤子先生に影響を与えた偉大な漫画家」とこの作品によって刷り込みされた人はかなり多いと思います。
なにせ自分の尊敬する漫画家が「神様」とまで言っているのだから、そりゃ手塚先生を偉大と思わない訳がなくなるのです(笑)
いや勿論本当に偉大なんですが。

これは一例ですが、他にも共感を呼ぶ部分や、私にとっては新鮮な解釈をしてる部分など、本当に色々な形でA先生について触れています。
基本的にファンの方々なので、好意的な形になっており、座談会という形を借りて出版した少し硬いラブレターの様にも受け取れます(笑)
いやだって皆好きな物について熱く語ってるから、読んでて愛情が伝わるのですよ。


(全文はこちらで↓)
 http://yaplog.jp/kage-dg/archive/107

■「藤子ファンの日々」とむさん


作品について語られる際、A先生の作品だけではなく当時の漫画との対比や類似点をあげられている事に関しては知識の深さに脱帽させられました。一つの作品に関しても読み解くにはこれほどの知識が必要なのか、と思わせられました。また、未収録の作品についても知識が豊富で私も読んでみたい、と思わせられる点が多くありました。未読の作品について語られることがこれまでもウズウズさせられる物だとは思ってもいませんでしたね。

一番印象的だったのは第五章の「先鋭的ギャグマンガ」の項でした。「黒ベエ」や「仮面太郎」の芸術性の高い作品についての記述については私としても同じ考えで、共感が持てたのですが「マボロシ太夫」などのようなシュールレアリズム、超現実的な作品については正直なところ新鮮な印象を受けました。


(全文はこちらで)
 http://blog.livedoor.jp/kujikaeru/archives/50906780.html

■「声の虫」こばきゅうさん


著書の稲垣さんのブログ、藤子不二雄ファンはここにいる/koikesanの日記は二年位前から覗かせていただいてまして、丁寧なレスにも言葉を選び、私の言葉足らずな部分も補足して下さるという、非常に文才の高い方であり正確な記述をなさる方でもあります。

ファンの中でも有名なそんな方が…本気で真剣に熱く言葉で語ったりしようものなら…!
決して激論ではないのに、語りつきない魅力が溢れ出してくる、という感じの年齢も様々な七名は、中には私の未読の作品も多々あるのにかかわらず…ありありと情景が浮かび…読まなければ!とすぐさまネット検索してしまうほどの論客揃いです。

まんが道、怪物くん、忍者ハットリくん、魔太郎がくる、夢魔子などの私の好きな作品でも、今まで言葉にすら出来なかった気持ちや衝撃を、魅力的に論じ、ただうなずくのみ。そして新な魅力にも気付かされたのです。
F先生よりの私ですが、A先生の存在と作品がなければ勿論、藤子不二雄足り得ません。
わかっていてもA作品はリアリティに満ちかつ危うい…精神的に不安定な私が読んだら…主人公のようにとんでもないことが現実になってしまいそう!
怖くて読めなかった作品も、もう耽溺することにします。
藤子作品がバイブルなら、これは弟子たちの聖伝で
Book2に続いて欲しい!


(全文はこちらで)
 http://blog.auone.jp/voiceworm9/?p=0&disp=entd_p&EP=35232973


 ほかにも、『藤子不二雄Aファンはここにいる Book1 座談会編』をブログなどでとりあげてくださった方は大勢いらっしゃいます。この場でリンクを貼って、感謝の意を表させていただきます。ほんとうにありがとうございます。


「はなバルーンblog」おおはたさん
 http://blog.goo.ne.jp/hballoon/e/dd7b5c8e8af38dbf9a875fe0f7c1b141


「ロベルトノート」渋谷直角さん
 http://chokkaku.jugem.jp/?eid=371


UJT memo」UJTさん
 http://ujt.jugem.jp/?day=20090920


トキワ荘通り」
 http://blog.goo.ne.jp/tokiwasou-street/e/dda0bcbc6c24665ce5a9990d8873d7ee


「suwatechnodiary」suwatechさん
 http://d.hatena.ne.jp/suwatech/20090913/p2


「パーマニアの日々」大田康湖さん
 http://parman.moe-nifty.com/hibi/2009/09/post-a4a1.html


「平穏無事な日々を漂う〜漂泊旦那の日記〜」漂泊旦那さん
 http://d.hatena.ne.jp/hyouhaku/20091014


「sohten blog」sohtenさん
 http://sohten.blog.so-net.ne.jp/archive/20090911


「ばんび荘シアターで夜が明けて」ちぇるしさん
 http://banbiso.blog.so-net.ne.jp/2009-09-11


明日は明日の風が吹く」小山よしかずさん
 http://minkara.carview.co.jp/userid/201247/blog/d20091023/


「僕のヴィジュアル道 Ver.3.1」ルーシーズポケットさん
 http://ameblo.jp/lucyspocket/entry-10341921437.html


「新おためし日記」Kumoruさん
 http://marumoru.blog89.fc2.com/blog-entry-292.html


「昨日の風はどんなのだっけ?」おりたさん
 http://d.hatena.ne.jp/toronei/20090806


「並平満夫の日記〜藤子不二雄についての日記〜」並平満夫さん
 http://d.hatena.ne.jp/fujikoso/20090913/1252837628


「月灯りの舞」ユカリーヌさん
 http://ameblo.jp/tsukiakarinomai/entry-10434737549.html


読書メーター
 http://book.akahoshitakuya.com/b/4784509380


「crossreview」
 http://crossreview.jp/gonpashin/reviews/4784509380


Amazonカスタマーレビュー」
 http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4784509380/ref=dp_top_cm_cr_acr_txt?ie=UTF8&showViewpoints=1
 Amazonのカスタマーレビューでは「正直言うと、一つのテーマで語るなら語って欲しかった。それぞれが思う意見を言うだけで終わっている。 (中略)「少年時代」「まんが道」「ブラックユーモア」これらを単独の一冊で語り込むくらいの濃さを期待していました」とちょっと厳しい評価をいただいておりますが、一冊まるごと『少年時代』について論じるとか『まんが道』について語るといったことになると、本書の基本的な趣旨である“藤子不二雄A作品論”ということから外れてしまいますし、本書はどちらかというと藤子A作品全般について網羅的に言及していこうという方向性の本なので、このレビューを書いてくださった方のニーズとは合致しなかったということになります。
 網羅的に言及しようと思っても言及しきれなかった主要作品がいくつもあるほどですから、一つのテーマで語りこむというのは本書が求める方向とは逆のベクトルになってしまうのです。
 もちろん、“藤子不二雄A作品論”という括りとは別に、『まんが道』論とか『魔太郎がくる!!』論といった括りで特定の作品を徹底的に掘り下げて論じるというかたちもありだと思いますし、そういうことができるものならいつかやってみたいとは思いますが、今回の趣旨とは別方向なのです。



 私が気付いていないところで本書をとりあげてくださっているブログがあるかもしれません。もし「他にも見かけた」という方がいらっしゃればご教授いただけるとうれしいです。
藤子不二雄Aファンはここにいる book1 座談会編』をお買い上げくださった方、読んでくださった方に感謝申し上げます。
 もちろん現在も発売中ですので、上記のブログなどを参考になさってご一読いただけると幸いです。


●追加
「見えない道場本舗」gryphonさん
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20091113#p4
 非常に熱心かつ分析的に書いてくださっています。読みごたえのあるレビューです。