道満晴明『ニッケルオデオン 赤』

 1月30日に発売された道満晴明さんのマンガ『ニッケルオデオン 赤』(小学館)を読みました。
 
 8ページのショートストーリーが13編収録されています。不思議だったり奇妙だったり心にグッと来たり結構グロテスクだったり。そんな話が、かわいらしくてクールでどこか飄然としたタッチで綴られています。ビシッとオチを決めるタイプの短編が好きな人にとって、じつに旨味のあるマンガです。
 4話目の『カクリヨジョウント』にはどこでもドアみたいな道具が出てくるし、全体的に『ドラえもん』を意識したお話になっています。



 日垣隆『つながる読書術』(講談社現代新書、2011年)を読んだら、『まんが道』がお薦めの本の一つとして紹介されていました。
 日垣さんは、本の「おもしろさ」を7つのカテゴリーに分けています。そのうちの1つが「ありえたかもしれない人生を味わえておもしろい」というもので、そのカテゴリーに当てはまる本の一つとして『まんが道』を挙げているのです。「藤子不二雄の『まんが道』(中公文庫)はマンガですが、ぜひとも若いうちに読んでおきたい成長物語です」とのこと。
 日垣さんが初めて繰り返し何度も読んだマンガが『まんが道』なのだそうです。