『ドラえもん』を論じた本を出します!

 私が執筆した本『ドラえもんは物語る 〜藤子・F・不二雄が創造した世界〜』(社会評論社、1800円+税)が、15日に発売されます。
 
 藤子・F・不二雄先生が生み出したマンガ『ドラえもん』は、テレビアニメや映画、グッズ、CMキャラクターなどさまざまに拡大し、知らない人はほとんどいない、というほどの国民的キャラクターになっています。
 それは、『ドラえもん』が途方もなく多くの人々に愛されている証拠ですから好ましいことではあるのですが、その一方で、マンガの外側へ広がった『ドラえもん』のイメージが独り歩きし、藤子F先生の『ドラえもん』から遠ざかっている部分もあると感じます。
 ときには、世間的に浸透した『ドラえもん』のイメージが、F先生の『ドラえもん』の本来的な姿を見えにくくしている面もあるような気がするのです。それが良いことか悪いことかという価値判断は留保して、とにかく、そのように感じられます。(ちなみに、私はドラえもんのアニメもグッズも好きです^^)
 そんな思いから、そもそもF先生が描いた『ドラえもん』とはどんな作品なのか……そのことを、F先生の『ドラえもん』を真正面から精読することであらためて捉えなおしてみたくなりました。


 そうした動機に、F先生の『ドラえもん』の面白さや魅力を言語化したいという私の欲求が結び付いて生まれたのが、この『ドラえもんは物語る〜藤子・F・不二雄が創造した世界〜』です。


 藤子・F・不二雄先生が描いた『ドラえもん』は、実に1300話以上にも及びます。その中から、私がいま論じたいと思う5つの話(「うそつきかがみ」「かげがり」「ゆめふうりん」など)を選び、それらの話を精読しながら、私が感じたこと・考えたこと・分析したこと・研究したことなどを述べています。
 そのうえで、それら5つ話と関連が深いと考えられる『ドラえもん』の他の話や、別の藤子・Fマンガ、他作家の物語作品(民話、小説、落語など)との比較対照を行ないながら、『ドラえもん』という作品の魅力、藤子・F・不二雄先生の作家性に迫ります。


 本書は、ジャンルで言えば「評論」ということになりましょうが、執筆の動機が動機だけに、評論と言うには愚直かつナイーブな箇所も散見されると思います。
 そうなることが、私がドラえもん本を個人名で出す意義だと考えるわけですが、そのうえで、浅薄な内容にならないよう、これまで指摘されたことのない見解や研究結果などもまじえ、読み応えのある読み物を目指しました。


 全304ページ、書き下ろしの活字本です。
 春のひととき、読書を楽しみたいという方は、この『ドラえもんを物語る』を選んでくださるとうれしいです。


ドラえもんは物語る 〜藤子・F・不二雄が創造した世界〜』は、15日以降、全国の有名書店およびネット書店で取り扱いが始まります。
 ビーケーワンでは、すでに予約可能になっています。
 http://www.bk1.jp/product/03516140


 どうぞよろしくお願い申し上げます。