夢と感動の宇宙展

 映画ドラえもんのび太の宇宙英雄記』を2回めに観た日は、劇場へ行く前に名古屋市科学館で開催中の「夢と感動の宇宙展」(3月11日〜5月24日)にまず足を運びました。「宇宙展」から「宇宙英雄記」へと“宇宙”をハシゴしたわけです(笑) 宇宙を舞台にした映画ドラえもんを観る前の助走としても、うってつけの展覧会でした。
 
 

「夢と感動の宇宙展」は主に宇宙開発がテーマ。つまり、地球人が宇宙(地球外)へ出ていく行為にスポットが当てられているのです。
“宇宙へ出ていく”といえば、宇宙を舞台とした藤子・F・不二雄先生のマンガがいろいろと脳裏を去来します。ですから、この展覧会には、藤子ファンとしても純粋にワクワク感を喚起されました。『21エモン』と『モジャ公』は、少年誌に連載された藤子F宇宙マンガの双璧だと思っていますし、大長編ドラえもんシリーズのなかにも『のび太の宇宙開拓史』『のび太の宇宙小戦争』など宇宙で冒険を繰り広げる作品がいくつかあります。短編作品のなかにも宇宙モノの優れた作品が多いです。別冊ふろくで発表された初期作品『宇宙冒険児』『星の子カロル』『ふしぎなほしのぼうけん』なども思い出されます。
 藤子不二雄A先生も漫画家生活の初期のころにはSF作品をいろいろと描いておられ、「ぼくら」に連載した『ロケットくん』(改題前は『宇宙少年団』)は、A先生の宇宙SFモノの最初期にあたる作品であり、また代表的な作品でもありましょう。
 そんな藤子作品の数々に思いを馳せながら、「夢と感動の宇宙展」を楽しんだのでした。
 とくに最初のコーナーでは宇宙飛行士候補者募集ポスター、宇宙飛行士になるための条件、大人になったら宇宙飛行士になりたいと書かれた宇宙飛行士・星出彰彦さんの少年時代の作文などが展示されており、こういう展示品を見ると、宇宙パイロットになりたいと夢を抱く21エモンを強く思い出します。
 
 



 ●会場内には、宇宙船や月面探査車、宇宙服などが展示されていました。たいていは模型でした。
 
 
 
 
 
 



●月面に足跡をつけるアトラクションや、宇宙ステーションの居住空間を再現したコーナーもありました。
 
 
 



●月の砂、月の岩石、火星起源の隕石など地球外から来た石の現物を見られたのもよかった!
 
 
 



●探査機「はやぶさ」が持ち帰った小惑星イトカワの微粒子を顕微鏡で覗けるコーナーが期間限定(3月31日まで)で設けられていました。はやぶさが帰還したときは世間を賑わせたましたね。
 
 



●「宇宙展」のショップでは、宇宙・天体を扱ったドラえもんの学習本が販売されていました。
 
 



「宇宙展」を観たあと、名古屋市科学館の常設展示も少しだけ観覧しました。
●「竜巻ラボ」で、人工的に作られた竜巻を観察。人工の竜巻としては日本一高いのだとか。
 
 何も見えないところから竜巻ができあがったり、竜巻のなかに子どもが入ったり、竜巻に風船を巻き込ませたりといった実演がありました。
 竜巻ができていく様子を眺めていると、『ドラえもん』の「たつまきストロー」(藤子・F・不二雄大全集15巻収録)のイメージと重なりました。たつまきストローも竜巻もつくる道具なのです。らせん状のストローに息を吹きこむと竜巻が発生するわけですが、ストローの吹き方によってさまざまな大きさ・形の竜巻をつくることができるのがキモです。やさしく吹けば小さな竜巻、強く短く吹くとずんぐりした竜巻、静かに長く吹くと長い竜巻になります。竜巻で荷物を運んだりそうじをしたり、竜巻の上に乗って走ったりと、竜巻をいろいろと活用するところも楽しいです。
 F先生のマンガ作法に“非日常の日常化”があります。『オバケのQ太郎』(A先生との共著)ならオバケの日常化、『パーマン』ならスーパーマンの日常化といったぐあいです。「たつまきストロー」は竜巻の日常化をはかった話といえましょう。



名古屋市科学館では常設展示品としていろいろな化石が展示されており、そのなかに「恐竜のうんこ化石」が!
 
 こういうのを見ると、「のび太の恐竜」でのび太が掘り出した化石を見たドラえもんのセリフを思い出します。「ナウマン象のウンコかもしれない」(^^)。