てんとう虫コミックス『パーマン』06巻発売!

 10月28日(金)、てんとう虫コミックスパーマン』06巻(新装版)が発売されました。
 
 
 

 パー子の正体に眼目を置いた話が、同巻の最初と最後に収録されています。最初に収録された「パー子の秘密」では、学校にいても町を歩いていても特別視されてしまうアイドル・星野スミレの内面語りが非常に印象的です。スターの孤独と、パーマン仲間といるときだけそこから解放される喜びが伝わってきます。
 最後の「パー子の羽衣伝説」では、パー子が他人に正体を見られてしまいます。本来なら“動物に変身させられる”という厳罰を受けるところですが、パー子は許されます。なぜ許されたのか、その理由がステキです。


「パー子の秘密」のなかで私のお気に入りのシーンが、ママがみつ夫にお説教するくだりです。妹のガン子が、みつ夫がまた学校で立たされていたとママに告げたため、ママはみつ夫をみっちり叱ります。そのあとすぐガン子のほうを向いたママは、今度はガン子を叱ります。「ガン子ちゃん、やたらにつげ口しちゃいけません」と。いくらみつ夫が悪いといっても、告げ口は卑怯な行為だし、兄をかばう気持ちをもってほしい、とガン子を諭したのです。ママのこの叱る態度、立派だと感じます。


パーやん運送でアルバイト」という話には、パーマン1号のマスクの下がのび太の顔になっているコマがあります。読んだ人が「あれ?」と思う箇所です。これは、当時お忙しかったF先生のミスなのでしょうね。ただ、初出時はともかく単行本収録時も修正されなかったことを思うと、「何かの遊びか?」「何か意味があるのか?」などと…ちょっと深読みしたくなったりもします(笑)


「千面相とぺカソ」では、千面相がぺカソの名画「マドンナ」を盗もうとします。この絵がどんなものか、作中ではちょろっと見られるだけですが、結構おもしろい絵で私も欲しいくらい好きなのです。


 マッドサイエンティストの魔土災炎の発明品が絡んだ話が2つあります。「透明理事長」には瞬間穴あけ液、「パーマン生きうめ作戦」には形状識別レーダーが登場します。
 さらに、全悪連が技術開発部を設けて新たな発明品を開発しようとする話もあります(「全悪連技術開発部」)。しのびシューズ、マジックハンド、スモークカプセルと、どろぼう用グッズばかりが出てきます。
 彼ら悪者たちの発明品はたいてい失敗に終わるわけですが、はたして、これらはどうなることでしょう?(笑)


 ちなみに、「パーマン生きうめ大作戦」には、ドラえもんのび太の姿が一コマだけちらりと写り込んでいます。つまり、先に挙げた“パーマン1号のマスクの下がのび太の顔”と合わせて、『パーマン』6巻では『ドラえもん』でもないのに2度のび太の顔を見られるわけです(笑)