瀬名秀明さんから新著『ウイルスVS人類 』(文春新書)をご恵贈いただきました。
ありがとうございます!
新型コロナウイルス感染拡大のさなかで行なわれた、専門家による徹底討論を収録しています。
まだちゃんと読めていませんが、帯を見たら「『シン・ゴジラ』にみる組織横断型体制づくり」の話などに興味を惹かれました。
本書の第3部は、討論ではなく瀬名さんが討論後に書いた文章「パンデミックと総合知」です。討論パート(第1部・2部)を読むより先に、こちらを読んでみました。
そこで瀬名さんは、このコロナ禍で真の総合知が試されている……と述べています。SF作家の小松左京は終生にわたり自身の作品で総合知を希求したが、一人の人間が総合知を担うには限界があり、小松左京でさえ情報革命以後の爆発的な情報の洪水のなかでパンクして心身のバランスを崩してしまった……というくだりが胸に響きました。
小松左京といえば、私はこのコロナ禍のなかで『復活の日』を読み返しました。
強力すぎる細菌兵器の流出によって恐ろしい感染症が世界的に広がり、人類が絶滅に向かっていく、という壮大なスケールのSF小説です。
瀬名さんも「パンデミックと総合知」のなかで、コロナ禍で小松左京『復活の日』が注目されたことに言及し、小松左京の著作でもっとも参考になるのが『大震災’95』だ…と書かれています。
『復活の日』に加え、『大震災’95』も読んでみたくなりました。
私はこのコロナ禍のなか、『復活の日』のほかにも、藤子F先生の『流血鬼』や『ドラえもん「流行性ネコシャクシビールス」』をはじめ細菌・ウイルスの感染症を描いた小説やマンガをいろいろと読みました。
そうやって感染症関係の本を読んでみようと思い立ったきっかけが、瀬名さんと押谷仁氏の著書『パンデミックとたたかう』(岩波新書、2009年)を3月上旬ごろに再読したことだったので、その瀬名さんと押谷氏が著者に名を連ねる感染症テーマの新刊がいま届いたのは、個人的に絶妙なタイミングです。
・『パンデミックとたたかう』を再読したときのことは、こちらで書いています。
https://koikesan.hatenablog.com/entry/2020/03/30/204138
コロナ禍のなかでカミュの『ペスト』が売れている、というニュースが流れましたが、3月上旬ごろの段階ではまだ私のアンテナに引っかかっていませんでした。すでにそのニュースを目にしていたのかもしれませんが、まだ心に留まってはいなかったのです。『パンデミックとたたかう』を再読したことで、「そうだ!このご時世だから、感染症やパンデミックの本をいろいろと読んでみよう!!」とひらめいたのでした。
『パンデミックとたたかう』はノンフィクションですが、私が読んだのはフィクションが多かったです。どんな本を読んだか、当ブログでまとめられたらまとめてみたいと思いますが、余裕がなくてできないかもしれません(笑)